ホットケーキを始めとする様々な「○○ミックス」はお手軽で便利だ。しかし味はあくまでも “それなり” のおいしさ。卵を泡だてる、発酵させるなど正規の手順を踏んだ「本物」には決して敵わない……はずだった。
しかし、沖縄旅行中に見つけたのが沖縄製粉の『サーターアンダギーミックス』だ。なんとなく購入したそれは、私がこれまでに食べたどのサーターアンダギーよりもおいしかったのである。ミックスが本物を超えた。これは革命というほかない。
「お取り寄せ」と「ストック」の習慣を持たない私が、この『サーターアンダギーミックス』だけは掟破りの「お取り寄せ&ストック」している。しかも10年の長期にわたって。この情熱を少しでも多くの人に伝えたい……!
・牛乳はいらないよ!
私がストックしているのはスタンダードタイプのサーターアンダギーミックス。公式サイトから通販するのだが、1袋だと335円(税込)なのに対し、10袋入りの1箱は2560円(税込)だ。1袋あたり100円近くも値引きとなるため、私はいつも1箱注文するようにしている。
かぼちゃ、紅芋、ココアなど味のバリエーションも存在。
今回はスタンダードタイプに加えて『黒糖タイプ』も作ってみようと思う。ちなみにサーターアンダギーとは「サーター(砂糖) + アンダ(油) + ーギー(揚げる)」と、3つが合わさった言葉。省略すると意味が違ってしまうため、ちょっと長いけどキッチリ「サーターアンダギー」と言おうな!
ホットケーキなどをミックスで作る際、材料に「牛乳」が登場すると一気にテンションが下がる……というのは “自炊あるある” ではないだろうか。牛乳は常備していない場合が多く、「なければ水でOK」という記載はあれど、明らかに牛乳よりマズそうだ。「バターも混ぜればなお良し」とか書かれていた日にゃ作る気自体が失せるというもの。
その点サーターアンダギーミックスの場合、用意する材料は卵と油のみ。保存食はこうでなくっちゃいけないよ!
・作り方も簡単なんだァ!
まず卵3つを泡立て器でとく。私はいつも箸でチャッチャと混ぜてしまっているのだが、今日のところはパッケージに記された手順を厳守することにしよう。
そこへミックスをドバッと1袋全て投入。
しゃもじでササッと混ぜ……
サラダ油を少々加えたら完成だ! 死ぬほど簡単!
黒糖タイプも手順は完全に同じである。
いつもなら私はこのまま油に投入してしまうのだが、パッケージに「ここで30分寝かせるとより美味しくなる」との表記があるため、今回はそちらも実践しておこう。
またパッケージには「ピンポン玉の大きさに丸め、140〜150℃の油にそっと入れます」とある。これも実践……
……するのだが、私としてはここで丸めず「適当にちぎった状態」で油に投入するのが好みである。そうすると表面積が広くなってよりザクザク感が味わえるのだ。
それから個人的に、油はもう少し低めの温度で揚げることにしている。なぜなら加熱中、鍋の底に接触するとすぐにコゲてしまうから。油をたっぷり使用すれば問題ないのだが、私のようにケチケチと少量で揚げる場合は低い温度から始めることをオススメしたい。
こまめにひっくり返しながら揚げてゆくと甘い匂いが漂ってくる。
いい感じの焼き色がついてきたら完成だ。
・ウマいでしょ?
完成したサーターアンダギーがメチャウマ! ……であることを私は知っている。なぜなら過去に何千個も消費してきたから。
と、いうワケで当サイトメンバーたちに試食してもらうことにしよう。この日出社していたのは揃いも揃って「マズければマズイと言う」がポリシーの辛口ライターばかり。いくら私の手作りとはいえ、決してお世辞なんか言わないだろう。
まず原田たかし記者から。貧乏舌なうえに優柔不断な彼は、何でも「普通」で乗り切ろうとするタイプなのだが……
原田「(ハッ! と驚いた顔で2秒間沈黙したのち遠くを見つめて)おいしい!」
やはり……かつて無いほどの衝撃を受けている様子である。
つづく我らがボスであるYoshioは「言っとくけど俺、サーターアンダギー好きだからね?」という圧力をかけてから実食……
Yoshio「えっ! おいしい! これ何? 作ったの? 自分で? 揚げたの? 嘘でしょ? 普段料理するの? ……いや絶対嘘でしょ、料理なんてしないでしょ〜!!!」
なぜか途中で話の方向性が変わってしまったが、「もう1個ちょうだい」とねだってきた様子からみて相当な感銘を受けたのは間違いないとみえる。
・違いの分かる男
最後は「ものすごくサーターアンダギー好き」を公言しているサンジュン記者だ。好きが高じて過去にはサーターアンダギーに関する記事まで執筆。
おまけに「素人の手料理が苦手」などと、食べ物に関してはプチ潔癖である彼を唸らせれば本物といえるはず……
サンジュン「あっ、ウマいね!」
サンジュン「でも…… “軽い” な……」
サーターアンダギーに「重い」と「軽い」があることにピンとこない読者もいるかと思うが、私には分かる。確かにサンジュン記者が激推しする『ライフのサーターアンダギー』と比較すれば、ミックスのは少し「軽い」のだ。
サーターアンダギーの世界は奥が深く、重いも軽いもあとはもう好みの問題。しかし自宅でいつでも揚げたてを食べられる点を加味すると、沖縄製粉こそがサーターアンダギー界の王だと個人的には確信している。
こうなってくると心配なのは沖縄のサーターアンダギー屋の皆さんだが……沖縄製粉のホームページをよく見ると、巨大な『業務用』ミックスも売られている様子なのだ。現地では意外に、うまいこと共存しているのかもしれないな!
参考リンク:沖縄製粉HP
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
▼揚げると2倍ほどにふくらむ
▼左:丸めたもの 右:適当にちぎったもの
▼中はフワフワ
▼うっかりすると焦げる
▼黒糖バージョンも好評