春服って買うもの多すぎない? しかもユニクロ、GU、ワークマン、お店も多すぎて どこで買えばいいのかも分からないんですけど……。そや! いっそファッションバイヤーに1万円渡して丸投げしてみよう

──と、今回はそんな企画の記事である。1万円という金額で、果たしてどこまでオシャレになれるのか?

・ファッションYouTuber登場

最初に、本記事は緊急事態宣言が発令される前に取材したものであることをお伝えしておきたい。現在は気軽にお出かけできる状況ではないが、以下ではネットで購入できる商品も多く紹介しているぞ。

さて、ある日のこと。私は新宿駅にいた。企画に協力してくれるファッションバイヤーを待っていたのだ。ちなみに、その時のコーディネートは……

「普通」という表現がピッタリだと思う。とりあえず春らしさは皆無。どこまでオシャレになれるのかと期待に胸を膨らませながら待つこと数分。

ビギナーには真似のできないファショナブルな姿で現れたのは、現役バイヤーのウルマさん。なお、知る人ぞ知るファッションYouTuberでもあるのだ。

合流するやいなや、あいさつ代わりに今回の要望を叩きつけてみた。

・1万円以下
・靴も含めて全身
・色々なシーンで着回ししたい
・お店の縛りはなし

ファッションバイヤーを名乗る以上は遠慮をする必要もないだろう。出鼻をくじかれて焦っているのではないか? と思いきや……


ウルマさん「アウターと靴は特に目を引くので、この2つでどれだけ良いアイテムを見つけられるかがポイントですね。プチプラコーデにうまく古着を取り入れましょう!」


想像とは裏腹に、余裕そうな表情をみせつつ新宿の街を歩き始めるウルマさん。古着には抵抗あるんだよなぁ……と少し不安を覚えつつも、私はひな鳥のごとく後ろからついて行くだけである。


・お洒落は足元から

まず足を運んだのはユニクロとGUが店舗を構えるビックロ。1万円コーデにおいてプチプラ会の2大巨塔は欠かせないようだ。その道のプロはどのアイテムから探すのであろうか。

ウルマさん「まずは、ボトムスとシューズですね。全身をコーディネートする場合には、下半身のアイテムが決まれば上半身の方向性も決まってくるのでコーデしやすいです。下半身がそれなりに まとまっていれば、ある程度お洒落に見えますよ」


──どうやら、オシャレになるためには下半身が大切らしい。しかし、1万円コーデにおいて一番の難関でもあるのが価格の高い靴だ。条件に見合う商品を探すため、お手頃プライスで靴の種類も多いGUから向かうことに。


っていや、種類多すぎ!


嬉しい悲鳴なのかもしれないが、どれを購入したら良いか分からないではないか。しかし、今日はそんな優柔不断な私のために、ファッションバイヤーがついているのだ。コーナーを見渡したあと、数ある靴の中から選んだアイテムはアクティブスマートチロリアンシューズ(税込3289円)の黒である。

デザイン性がある革靴のため、足元からビジネスっぽい雰囲気をなくすことができるらしい。また、光沢がありすぎるシューズだと安っぽく見えてしまう可能性もあるため注意したほうが良いとのことだ。なるほど……。

さらにGUではズボンも購入。うっすらと縦のストライプが入っている、ウエストリブイージーアンクルパンツ(税込2189円)のブラックだ。

ウルマさんの雰囲気から、てっきり派手目なファッションになるのかと思いきや、意外にも落ち着いた雰囲気である。


ウルマさん「hiraziさんみたいに、タンカーから降りてきそうな濃い顔の場合、派手な柄を入れると顔とケンカしてしまうので柄なし、もしくは控えめな柄のアイテムでのコーディネートが正解です。逆に僕みたいな薄い顔は柄が映えるので、柄を取り入れたコーディネートがいいですね」


……タンカーから降りてきそうかは良く分からないが、顔の濃さでも適したコーディネートが変わってくるとのこと。確かに私とウルマさんでは、ソース顔と塩顔で対照的である。みなさんも参考にして欲しい。

さて、有益なアドバイスをもらったは良いが、初っ端から5478円と予算の半分以上を使ってしまっている。残り4522円でアウターとインナーと靴下を買わないといけないんだが大丈夫だろうか。不安に思いつつ振り返ると……

自身満々な表情を浮かべるファッションYouTuberがそこにいた。ほっ……


・古着も活用

下半身のアイテムが決まったため、次は靴と並ぶキーアイテムのアウターを探すことに。1万円という制限があるなかで、洗礼されたコーディネートにするためには古着を利用することがオススメらしい。

ということで、いったんユニクロをスルーして足を運んだのは、2nd STREET(セカンドストリート)高円寺店。一般的に言う古着屋ではなくリユースショップである。リサイクルショップに近いと言えば分かりやすいだろうか?

あれ、でも……わざわざ高円寺まできたけど、新宿にもあるじゃん! このお店!!


ウルマさん「新宿にもありますが、リユースショップは構える地域によって品揃えが全然違います。今回の要望にピッタリのアイテムは、安さを求める人が多い高円寺の店舗にある可能性が高いですね」


──高円寺なら普通の古着屋さんもたくさんありません?


ウルマさん「一般的に言う古着屋ではなく、リユースショップやリサイクルショップの方が掘り出し物が見つかる可能性が高いんです。有名ブランドが激安で買えたりもしますよ」


──どうやら、お金を掛けずにオシャレになる近道は、リユースショップやリサイクルショップで掘り出し物を探すことらしい。まさに宝探し。さっそく真剣な眼差しで店内を物色していくウルマさん。

多数のアイテムを吟味(ぎんみ)しながら見つけたお宝は……ivory court(アイボリーコート)のミリタリージャケット(税込1430円)。

筆者「ほーほー……確かに安い。でもまぁ古着だしこんなもんでしょ。カッコいいけど、ちょっとブランドもあまり分からないです」

ウルマさん「じゃぁこれはどうですか?」


──と差し出されたのは、nano・universe(ナノユニバース)のニットジャケット(税込550円)である。


や、安ッ!!


ナノユニバースならオサレビギナーの私でも知っている有名ブランドである。桁が間違えているのではないのかと何度も見直したが確かに550円だ。吉野家の牛丼大盛りとほぼ変わらない値段ではないか!!


ウルマさん「セレクトショップのオリジナル商品は定価だとボチボチ高い値段ですが、二次流通(古着)だと安く買えるので狙い目です!」


確かに店内を見て回ると「え、ここまで安いの?」と驚愕するレベル。ジャケットで1000円以下がゴロゴロしているのである。古着が安いことは分かっていたが、ここまで安く買えるとは思っていなかった。

ここまで安けりゃ買わない理由はない。ということでミリタリージャケットとニットジャケットの2点を税込1980円で購入


GUでもアウターを1着買えるかどうかの値段なので、古着とはいえ破格である。ちなみに、汚れやほつれも無かったぞ。

私はプチ潔癖症なのでインナーやズボンなど肌に直接触れるものは少し抵抗があるが、そうでない方なら、このお店だけでコーディネートできてしまうかもしれない。


・まさかの無印良品

残額2542円。残りはインナーと靴下というところで次は無印良品へ向かうとのこと。あまりファッションのイメージがない無印良品だが、オシャレなアイテムが多いということはファッショニスタの間では常識的なことらしい。

そんな無印良品で狙うのは靴下。オシャレなアイテムも多いなか、今回は予算の都合もあるため狙い撃ちである。それにしても、GUの靴にしろ無印の靴下にしろ種類が多いな……ビギナーの私が選んでいたら「どれでも良い」という結論になっていただろう。

ウルマさん「真っ白ではなく優しさのあるオフホワイトの色味と、程良い肉厚さが無印のソックスの魅力で、価格も安いためオススメです!」


と言われるがままに「足なり直角リブ編み靴下(税込300円)」のオフホワイトを購入。


・最後はやはりユニクロ

残金2242円であとはインナーだけである。最後はユニクロで締めることになりそうだが、とにかくユニクロのTシャツはスゴイらしい。何がスゴイのか素人の私にはよく分からないが、ハイクオリティなのに、ここまで安い値段で販売できるのはユニクロだからとのこと。

というわけで、迷う余地もなく購入したアイテムが、ユニクロUのクルーネックTシャツ(税込1100円)である。ちなみに、「U(ユー)」がついてるアイテムは、ユニクロが著名なデザイナーとのコラボした商品のことらしい。

以上、コーディネートの総額8858円(税込)。予想以上に安く済んだじゃないか……と、勝利の余韻(よいん)に浸っていたところ、悪魔のささやきがボソッと聞こえてきた。


ウルマさん「春のアイテムとして、ユニクロのスタンドカラーシャツもオススメなんですけど、2189円(税込)なので少し足りないですね。着回しの幅も広がるんですが……」


……


……


……


筆者「買いましょう」



・コーディネートするとこうなる

悪魔のささやきに負けてしまったため、合計1万1047円(税込)と少し1万円を超えてしまったが、最終的なコーディネートで満足できれば問題ないのだ。異義は認める。

コーディネートの前に、まずは購入したアイテムをまとめてみよう。


・GU(ジーユー)

アクティブスマートチロリアンシューズ(税込3289円)


ウエストリブイージーアンクルパンツ(税込2189円)


・2nd STREET(セカンドストリート)

■アイボリーコートのミリタリージャケット(税込1430円)


■ナノユニバースのニットジャケット(税込550円)


・無印良品

足なり直角リブ編み靴下(税込300円)


・ユニクロ

クルーネックT(税込1100円)


リネンコットンスタンドカラーシャツ(税込2189円)


以上の7点を使ってコーディネートしていくことになる。ザ・普通のコーデからどれだけ変わるのか?

下半身のパンツ、靴、靴下は固定のアイテムとして、上半身の組み合わせを変えることで3通りの組み合わせができたぞ! まず、古着のミリタリージャケットを利用したコーディネートは……


おおっ、オサレ! アウターがミリタリージャケットなのでカジュアルよりのコーデだ。インナーがTシャツかスタンドカラーシャツかで雰囲気が変わる気がする。シャツにすると少しドレッシーな感じ?

で、お次はナノユニバースのニットジャケットとシャツを着用したパターン。


小洒落たBarでデートできるやん。最初のカジュアルコーデに対してキレイめ組み合わせになっており、靴下を見せる感じがオサレ上級者の雰囲気ぷんぷんだ。そして、550円の牛丼ジャケットがいい仕事をしている。

予算をオーバーしてしまったものの、これだけオシャレに着回しができるのであれば文句など出ようはずもない。古着には抵抗があったのだが、アウターだけでも取り入れるのアリだな。まじ、大正義。


・早く着たい

今回、1万円でファッションバイヤーにコーディネートをお願いしてみたところ、色々な意味で限界を超える結果になった。本格的な春の到来を前にして、これだけ着回しができればデートの時に困ることはないだろう。

ただ、現在は外出する機会が著しく少なくなっているので、しばらくは部屋で1人ファッションショーを楽しむことになりそうだ。オシャレな洋服に身を包んだ自分を見てウットリするのも、悪くない過ごし方である……。


・おまけ

コーディネート企画はここで終わりなのだが、最後にウルマさんが本気でオススメするプチプラアイテムを聞いてみたので、何を買ったら良いか分からないと悩んでいる方は参考にしてみて欲しい。


・ユニクロ 「エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(税込1650円)」

ウルマさん「肌に触れる内側はエアリズム素材で機能性もあり着心地も快適。なのに表地の見た目はコットン素材の普通のTシャツのように見えます。素材感は高級感すら感じるので、とりあえずプチプラでビッグTを探してる人は間違いありません。ネットは再入荷して完売が続いていますが、実店舗だと比較的見つかりやすいでしょう!」


・GU 「シェフパンツ(税込1639円)」

ウルマさん「2020春夏シーズンのトレンドのシェフパンツ。名前のごとく海外の厨房の料理人さんが仕事着で着ていたものが、ファッショナブルに近年アップデートされて人気になっているアイテムです。普段着としてももちろん、ウエストはゴム仕様でシルエットもゆったりしているので、ちょっとした外出用や、なんなら部屋着としてもおススメできるアイテムです!」


協力:ウルマ a.k.a ユーチューバイヤー(Instagram @uruma_infinity_takeo
参考リンク:GU2nd STREET無印良品ユニクロ
Report:hirazi(ひらじ)
Photo:RocketNews24.