「甲子園連れてって──」かの有名な漫画『タッチ』に登場するヒロイン、浅倉南ちゃんのセリフである。このシーンを読んだ時、幼かった記者は「めっちゃ他人任せじゃん」と思ったものだが、大人になれば南ちゃんがいたからこその甲子園だったことがわかる。

それはさて置き、阪神甲子園球場名物といえば、かちわり氷にカレーにジャンボ焼き鳥、そして焼きそば。先日偶然にも、こちらの焼きそばの味を自宅で簡単に再現できるという “ワンダフルソース” を入手した。名前からして、なんともゴキゲンではないか。これは、さっそく作ってみるしかない! 

・兵庫名物ワンダフルソース

甲子園球場の焼きそばが広く愛されることは知っていたが、てっきりブルドッグソースやオタフクソースなど、よくあるソースを使っているものだとばかり思っていた。ワンダフルソースとは……関西に住んでいて恥ずかしい限りであるが、はじめて耳にした。

行きつけのスーパーが、デカデカと “甲子園の焼きそばに使用” と書いたポップを貼ってくれたおかげである。どうやら保存料や添加物を使っていないソースのようで、そのためか一般的な商品と比べて賞味期限が短く、販路はそれほど広くないようだ。しかし、販売元である兵庫県民には馴染みのソースとのこと。

・とにかくワンダフル

そうは言うものの、一度見たら忘れられないのがワンダフルソースだ。なんと言っても、パッケージデザインが特徴的。ソース顔の、ちょっと濃い目の顔立ちの少年が両手を元気いっぱい挙げている、非常に味わい深いイラストである。

よくわからなくとも、見るからにワンダフルな感じだ。気になるソースの実体を一言で表すならば、ウスターソース。小豆島から運び入れた樽を使用した木樽仕込みとのことで、めちゃめちゃ美味しそうではないか! 

・お上品な香りと味

はやる気持ちを抑えつつ、いそいそと焼きそばの材料を用意する。ちゃちゃっと野菜や肉を炒め、麺を投入したら、いざワンダフルソースの出番だ。適当にじょばーっとソースをかけると、たちまち良い香りが漂う。

フルーティーさもある。お上品なソースの香りだ。食べずともわかる、この “美味しそう感” 。じゅるっと垂れてきそうなよだれを押しやって、口に焼きそばをかき込むと……めちゃめちゃ美味しかったです。

オイスターソースのしっかりとしたコクがありながら、後味はさっぱり。「スパークリングワインとかが合いそうだな」と思った記者が試してみたところ、やはりピッタリだった。

本来であれば「これはまさしく甲子園の味!」と言いたいところだったが、思い返せば記者は、甲子園球場でカレーしか食べたことがない。次球場に足を運んだ際に「これだ!」と言えるよう、いまからワンダフルソースの味を舌に覚えさせておくことにするぞ。

Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.

▼見るからにワンダフルなソース

▼ジワジワくる少年のイラスト

▼いつか甲子園球場の焼きそばと味の比較する日を夢見て