各地の心霊スポットに不定期で突撃するシリーズ「心霊スポット検証」。今回は筆者の地元・京都から「血の池」なる場所を紹介しよう。

池の水が赤く染まるという不気味な噂の真相を探るため、意を決して山奥へと潜入。そして苦労して辿り着いた先で、なぜか一人で宗教裁判のようなことをする羽目になるのでした……。

・不吉な噂がある池

心霊スポット探しには余念のない筆者。つい先日、地元の京都に「血の池」と呼ばれる心霊スポットがあるという情報をキャッチした。

ひととおりインターネットで調べたところ、この池で人を斬った刀を洗ったとか、入水自殺した人がいたとかの噂がヒット。それら命を落とした人の怨念で池の水が赤く濁って見えるらしい。

水のある場所……特に沼や池は心霊スポットとして定番のカテゴリーではあるが、いずれにせよ血の池とは不吉な名称ではないか。ネーミングのインパクトは申し分ない。今回のターゲットは、ここで決まりだ。

場所としては嵯峨山上陵(平安時代に在位した嵯峨天皇のお墓)の近くにあるらしいので、とりあえずそこにマップの目的地をセットして目指すことにした。

・道がない!?

心霊スポットといえば普通は夜に訪れるもの。しかし今回ばかりは池の色を確認する必要がある。日中にアタックすることにしよう。

いわゆる右京区の北嵯峨と呼ばれるエリア。マップを見ながらズンズン進んでいく。畑と住宅ばかりの、平和としか表現できない風景が広がる。本当に心霊スポットなどあるのだろうか。

しばらくすると藪に挟まれた小道に入り、少しずつ雰囲気が出てくる。どうやら近づいてきたようだ。しかし次の瞬間、衝撃の展開が。

Googleマップが「こっちに進んでください」と指示する方向に目を向けてみると……

ファッ!? 道ないやんけ!

筆者の知る限り、よほどのことがなければGoogleマップは嘘を付かないはずである。しかしマップが示す西側からのアクセスルートに通行できそうな道はない。あるのは斜面のみだ。

幸いにも困っている筆者を見て近所の方が道を教えてくれた。どうやら東側に回り込むと山上陵へと続く石段があるらしい。結局マップが示すルートの真偽は分からずじまいだったが、とりあえず教えてもらったとおり迂回することにした。

・それでも地球は回っている

言われたとおりに進んでいくと、あっさり入口に到着した。よかった!

実際に行こうと思われる方は、マップ上で嵯峨山上陵から見て南東方向に入口があることを覚えておいてほしい。

石段を登りきった先に山上陵があり、そこを脇道から裏手に回りこむ。

奥の方へと進んでいくと、ついに血の池が登場……

……え!?

コレが!?

思ったことを言ってもいいのだろうか。言わない方がいいのだろうか。いや、やっぱり言ってしまおう。

全く赤くないよね、この池。百歩譲って「赤茶色っぽい黄土色」とは言えるかもしれないが、筆者の目が腐っていなければ絶対に赤ではない。てか、ぶっちゃけ池というより水たまりじゃないかコレ?

真っ赤に染まった禍々しい池を期待して、ここまで歩いてきたのだ。「これは赤……」「これは赤……」と自分に思い込ませようとしたが、ただ濁っているだけの水たまりを指して「これは赤です」と口にすることは残念ながら最後まで出来なかった。

……なぜガリレオの宗教裁判みたいなことを山奥で、しかも一人でやらないといけないのか!?

しかしながら、玉石混交は珍スポットや心霊スポットを巡るうえで避けては通れない宿命。今回は「血の池」というネーミングばかりが先行した残念心霊スポットだったが、今後も懲りずに様々な場所へとアタックしていきたい。

ちなみに山上へと向かう石段からは京都の街並みが一望できるので、普通にウォーキングを楽しみたい人にはオススメの場所だぞ。

Report:グレート室町
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:Googleマップ(ColorOS 6.0)

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▼これを「赤い池」と表現するほど筆者は堕ちていない

▼石段を10~15分ほど登って山上を目指す。ところどころ展望が開ける

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