福岡といえば屋台が有名……だが、お店選びはけっこう難しい。ガイドブックに「大将や常連さんとの会話を気軽に楽しもう」と書いてあっても、常連客の多い戦場に完全アウェーを覚悟の上で突入するには勇気が必要だろう。 “気軽に” なんて100パー無理である。

しかーし、今回ご紹介する『megane coffee & spirits(メガネコーヒー & スピリッツ)』なら、そこまで勇気は必要ないかも。ざっくり言えば、コーヒーと焼酎、ジンといった蒸留酒が楽しめる屋台らしいのだが……まあ、ちょっと気になったので行ってきました。

・メガネコーヒー & スピリッツ

屋台があるのは、福岡市中央区の天神4丁目「日本銀行福岡支店」の前。いわゆる昔ながらのリヤカータイプではなく、スタイリッシュなボックス型の屋台だ。オシャレ過ぎて逆に入りづらいかもしれないが、酔っ払いサラリーマンが集結している屋台よりは断然入りやすい。

なお、福岡市内の屋台は「料金の明示」が義務付けられていて、同店も看板にしっかりメニューが書いてある。コーヒー(500円)、柚子茶(600円)、珈琲焼酎(600円)など。とりあえずコーヒーが飲みたかったので、ビニールカーテンをめくって入店すると……あったけぇぇ

店内は、コの字型のカウンター席が8席のみ。実はかなり機能的で、イスは天板を外して折りたたむことも可能だ。店主曰く、屋台は閉店後にすべて解体してタウンエースに積み込むらしい。設営、解体にかかる時間はそれぞれ約3時間とのこと。ひょ、ひょえー。

ちなみに道路が使えるのは17時~28時で、開店時間は設営完了後の20時頃。調子がいい時は19時30分にはオープンしているらしい。20時前でも「店主が読書をしていたら開店準備が終わっている」そうなので入店してOKだ……なんて話を聞きながら、頼んだコーヒーを待つ。

メガネコーヒーが誕生したのは2019年の10月。2017年から福岡市の屋台は公募制度となって新規参入が可能となり、同店は第2期の公募で出店が決定。約1年の構想期間を経て、ありそうでなかった「コーヒー屋台」が屋台の聖地に誕生したのである。

・コーヒー屋台がなかった理由

おそらくだが、これまでコーヒー屋台がなかった理由は「コーヒーはおかわりをする人がほとんどいないから、わずかな営業時間で回転率を上げないと店が回らないから」と店主。なるほど、たしかにである。そんなこんなでコーヒーが登場。ミニドーナツも付いてきたぞ。

ハンドドリップで丁寧に淹れてくれたコーヒーは雑味がなく、爽やかな香りとすっきりとした口当たりが特徴。豆は、焼酎やウィスキーなどに漬け込みできるようにも考え、市内の有名店『焙煎屋』にオリジナルを作ってもらったのだとか。帰宅前に癒されるなぁ

・コーヒー1杯だけでもOK

──さて、店主の話をもっと聞きたかったが、サクッと1杯だけコーヒーを飲んで店を出ることにした。メガネコーヒーは、仕事後や食後に少しだけ立ち寄るのにちょうどいい場所である。まるで室内かのような居心地の良さと、店主の人柄に誰もが癒されるだろう。

というわけで、屋台初心者の方やお酒が飲めない方はもちろん、雰囲気を楽しみたい外国人観光客にもオススメのメガネコーヒーは、ぜひ覚えておいてほしい。最後に、雨天時は休みになる場合もあるそうなので、気になった方はSNSで営業情報を確認しておくこと!

・今回ご紹介した店舗の詳細データ

店名 megane coffee & spirits(メガネコーヒー & スピリッツ)
住所 福岡市中央区天神4-2-1 日本銀行福岡支店前
時間 20時頃~24時頃
休日 日曜日・水曜日(雨天の場合は変更)

Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]

▼取材日は営業中に雨が降ったので解体作業が大変だったはず。お疲れさまでした!

日本、〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神4丁目2−1