牛丼チェーンのカレーとしては抜群のウマさを誇る松屋のカレー。カレー専門店とも違う甘みと辛さの絶妙なバランスは、舌に染み入るようなオンリーワンの濃厚さだ。まさにオリジナルカレー。
だが、思ったことはないだろうか? 「なんかひと味足りない気がする」と。確かにウマイんだけど、決定的な何かが足りない気がするんだよな。深みがないというか、一杯食べ終わる頃には飽きていたりする。その答えがついに判明したかもしれない。
・カレギュウをペペる
私(中澤)がそう思ったのはある日のこと。仕事の合間を縫って松屋でカレギュウ弁当を買ってきたものの、お昼に食べる暇もなく2時間ほどが経った。すっかり冷めきったカレギュウを見て、私は思い立ったのである。「よし、ペペってみよう」と。
おっと失礼。ペペるとは、「ペペロンチーノを作る」という意味だ。ペペロンチーノを愛する私は、パスタで作るだけでは飽き足らず、これまでどん兵衛や吉野家の牛丼をペペっているわけだが、これが見事にどれも激ウマ。その経験が、ウマイに違いないという確信に変わったわけだ。調理の手順は以下の通り。
【つくりかた】
1. フライパンにオリーブオイルを敷き、ニンニクを弱火で炒める
2. 香りが立ってきたら唐辛子を投入
3. 唐辛子に軽く火が通ったらカレギュウ投入
4. 塩・コショウを小さじ半ふりかけて混ぜながら炒める
5. 完成
──ニンニクとカレーの香りが死ぬほどウマそうだ。冒頭で申し上げた通り、松屋のカレーはそもそもウマイ。そこに、オリーブオイル、ニンニク、唐辛子、塩・コショウで炒めるんだからマズくなりようがないではないか。味が約束されているようなもんである。
と思ってはいたのだが……
想像の100倍ウメェェェエエエ!
煮詰められた甘みの波間をきらめくようにピリッとした辛さが顔を出す。バランスは確かに松屋のカレーのそれだが、その甘みと辛さがどちらも深みを増している。
・まろやかで飽きない味に
さらに、そんなカレーが、チーズでも入れたのかと思うほどのまろやかさになっているのだ。だが、チーズは入れていない。繰り返すが、入れたのは、オリーブオイル、ニンニク、唐辛子、塩・コショウ……
つまりこのまろやかさの原因はおそらくオリーブオイル! 揺り返すように押し寄せるまろやかさと深みのリフレインを舌が記憶し、次へ次へとスプーンを進ませる!!
松屋のカレーに足りなかったのはオリーブオイルだったんだ……
全部自分で食べてしまいたい。このままスプーンを止めたくない。だがしかし、写真を撮ってくれている田代は大のニンニク好きである。そこで、田代にも食べさせてあげたところ……
田代「ウンマ! これ松屋のカレーと思えないですね!! むしろカレーじゃない新しい何かみたいな鮮烈な味じゃないですか!?」
──凝り性の田代もその味に大興奮。「体がカッカする」と連呼しながらウロウロと挙動不審な動きをしだしたため残りは私が食べた。
家にバーカウンターがあるこだわりの男・田代も落ち着きをなくすほどウマイこのペペ松カレー。松屋のカレーになんか足りないなあと感じている人は是非試していただきたい。
Report:ペペロン星児
Photo:Rocketnews24.
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