日本でもおなじみのチュッパチャプスは、スペインで生まれたキャンディである。あまりにも有名なあのロゴデザインを手がけたのは、スペイン出身の画家サルバドール・ダリ。ちなみにピカソもスペイン出身だ。この国の温暖な気候が、爆発した芸術を生んだのだろうか。
スペイン人にとって、チュッパチャプスはとても身近な存在の様子だ。街の売店やカフェの店先には、1ユーロ入れればチュッパグッズの出てくるガチャガチャが設置されている。日本では見かけない “変わりダネ” チュッパも多く、見ているだけで楽しくなってくるなァ。
しかし、そんなスペイン旅行中のある日のこと。スーパーのレジ横に「見ているだけ」では済ませられないチュッパを発見してしまったのだ……。
・CANDY SUSHI
3.5ユーロ(約423円)で売られるソレには、確かにチュッパチャプスのロゴが印刷されている。しかし例の棒が付いた丸いアメではなく、数種類のアメが入った菓子ボックスだ。
そして……そこには確かに『CANDY SUSHI』と書かれている。
一応確認しておくが、キャンディは寿司ではない。百歩譲って『寿司キャンディ』ならまだ分かる。「寿司をモチーフにしたキャンディかな」という感じがするから。だが『キャンディ寿司』はダメだ。じゃあそれは、つまり『寿司』ってことになってしまう。
・衝撃の全貌
好奇心に負けて購入したキャンディ寿司ボックスには、9種類・計28個のアメが入っていた。カラフルでかわいいし、これで423円は良心的な価格といえるのではないだろうか。
確かに寿司に見えるものもあるが、モチーフが全く不明のものもある。パッケージ裏面には各キャンディの名称が記載されていたので、ここからは1つずつ答え合わせをしていくことにする。いくつ当たるかな?
まずは最も “寿司っぽい” フォルムのキャンディ。シャリに魚が丸ごと乗っているのは気になるが、チビッコはこっちのほうが嬉しいかもしれない。このキャンディは……
……って、キャンディじゃねぇ!
シャリ部分はマシュマロ、そしてネタ部分はまさかのグミである。早くも寿司どころかキャンディですらなくなってしまった。名前は『CANDY NIGIRI』だ。味は柑橘系でおいしい。
次は軍艦巻きを意識したと思われるキャンディ。これは『GUNKAN』で決まり……と思わせて正解は『CANDY MAKI』。間違ってない。
それならこっちは『FUTOMAKI』か? と思われたものは『CALIFORNIA ROLLS』。
『EBI』で初正解だ! キャンディっぽく見えたけどマシュマロ。
・難解を極める
寿司と関連しているイメージはないけれど、どう見ても『さやいんげん』だろう……そう思った緑色グミの正体は惜しくも『EDAMAME』だった。どのみち寿司との関連は薄い。
まさかと思うけど『はじかみ生姜』? なワケはなく、赤く細長いグミは『KANI』とのこと。
う〜〜〜〜ん……『揚げ団子』……? 黄色いボールの正体は『IKURA』でした!
・ほとんどピカソ
緑のグミに白黒の砂糖玉の乗ったソレは『URAMAKI』。どこをどう見れば裏巻き寿司なのかサッパリ分からない。そして欧米では「URAMAKI」で通じるほど、裏巻き寿司がメジャーということなのだろうか? 謎は深まるばかりである。
最後はケースに入ったモンブラン状のグミだ。『もずく』か? 果たして答えは……『CANDY KOIKUCHI』!
『濃口』? 濃口醤油のこと!? そう見えるかどうかは別として、寿司と濃口醤油の組み合わせなら大正解である。日本人が寿司アメを作ったとして、果たして『濃口醤油』を入れる気づかいができるだろうか? せいぜい『醤油』なのではないか?
キャンディ寿司を皿に並べてみると、これがなかなか寿司っぽく見える。「何握りやしょ?」と、スペインの子供達が寿司屋ごっこをしているかどうかは不明だが、これで寿司に興味を持ってくれれば日本人として嬉しい限りだ。
常識にとらわれない芸術を生みつづける国・スペイン。鮮やかなチュッパチャプスを眺めていると、「キャンディの寿司があったっていいじゃない」という気がしてくる。この国を訪れた際は、ピカソばりに芸術しちゃってるチュッパを探してみてほしい。
ちなみにスペインでは、日本でおなじみの ”スタンダードチュッパチャプス” と肩を並べて『メロディポップス』なるチュッパが大量に売られているぞ。キャンディが笛状になっていて、舐めながらピーヒョロロと音が鳴るしくみだ。チュパチュパピーヒョロ……おいしいと楽しいの合わせ技である。日本にもこの文化が根付けばいいのになァ。
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
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