ボリュームたっぷりのアメリカ料理とロックンロールな店構えで、世界各国の音楽ファンに愛されているハードロックカフェ。東京や大阪をはじめ、日本国内にも複数店舗を展開している(今回紹介する新店舗を含めて9店舗、2019年7月18日時点)。

そんなハードロックカフェが京都に初進出、しかも場所は祇園のド真ん中という。京町家が立ち並び、舞妓はんが闊歩する、あの祇園である。一体どんな空間が広がっているのか全く想像が付かねぇぇぇえ!

ということで、オープン間もないハードロックカフェ京都にさっそく潜入してきたぞ。果たしてハードロックと京町家は手をつなぐことができたのか!?

・歴史香る街並みに

ハードロックカフェ京都は、2019年7月12日にオープンしたばかり。歌舞伎の殿堂・南座や京阪の祇園四条駅から少し北東へ進んだところ、祇園白川と呼ばれるエリアに店舗を構えている。

この辺りは京都市により伝統的建造物群保存地区に指定されており、石畳の上に整然と立ち並ぶ京町家が歴史と伝統を今に伝えている。

白川のせせらぎに、ときおり通りすぎる着物姿の女性や人力車。とても「ハードロック的な何か」がありそうには思えない風景。こんな場所に本当にハードロックカフェがあるのだろうか……


あるのだろうか……



あった……!


ありました。ギター型のネオンも派手な電飾もないが、このロゴは間違いなくハードロックカフェ……っ!

世界で唯一、町家づくりの外観を持つハードロックカフェの登場である。おそらく周辺の景観に配慮してのことだろう、外観から感じるロック感はゼロ。

しかし中に入ればきっと Rock’n’Roll を感じられるはず。そうでなけりゃただの町家カフェだぜ。期待と不安を胸に、店内へと飛び込んだ。

・「和」と「ロック」のハイブリッド

店舗は1階と2階に分かれており、メインの客席は2階となっている。そこまで町家っぽさは強調されていないものの、木目調でスッキリとまとめられた内装は京都店ならでは。

筆者は以前にユニバーサルシティの店舗を訪れたことがあるが、随分と趣は異なる。

しかし壁に飾られた数々のメモラビリア(展示品)や、店内に流れるサウンドが「ハードロックカフェへようこそ」と訴えかけてくる。顔にロック調のペイントを施した店員さんの姿も。「和」と「ハードロック」が融合し、不思議なハイブリッド空間となっている。

個人的には、店内で流れるBGMの音量が控えめに設定されていることが好印象だった。いくらハードロックカフェとはいえ、せっかくの和洋折衷空間。あまりにも大音量だと台無しになってしまうものな。

・京漬物 × バーガー?

料理は全店共通のグランドメニューのほか、店舗限定メニューも用意されている。筆者は味噌わさびバーガー(店舗限定メニュー・2180円)を注文した。ドリンクは店員さんがオススメしてくれたジャズベリー(ベリー風味のクラフトビール・750円)をチョイス。

ジャズベリーを飲みながらバーガーの焼き上がりを待ち……と、このドリンクがマジで美味い。ビール本来の苦味とラズベリーの酸味が調和し、非常に爽やかな飲み口。うっかりおかわりしてしまいそうになったが、仕事仕事。

店内に Guns N’ Roses の “Nightrain” が流れはじめたところで、料理が到着した。

味噌わさびバーガー。特徴は名前のとおり、わさびを利かせた味噌ソースで仕上げられていること、そして京漬物(!)が挟まれていること。京漬物は季節ごとに変わるらしく、筆者が訪れた際は千枚漬であった。

漬物とハンバーガーって果たして合うのだろうか? でもよく考えればピクルスも漬物だしな。でもピクルスと京漬物じゃやっぱり違うしな。なんて呟きながら食べてみると……


意外に合うんかい!

 


思わず一人でノリツッコミ。意外に、合います。

パテ、アボカド、トマトという柔らかい食感の具材に対して、千枚漬のシャキシャキとした食感がアクセントに。大きめにスライスされた千枚漬が3~4枚入っているので、通常のピクルスを使ったハンバーガーよりも食感の楽しさが際立つ。

パテの肉肉しさは申し分なく、これぞアメリカのハンバーガーといった感じ。少し値段は張るものの、ボリュームを考えれば納得。付け合せのポテトもペッパーが利いていて美味しかったぞ。

・LOVE ALL – SERVE ALL

ハードロックカフェでは「LOVE ALL – SERVE ALL(すべての人に平等に)」のスローガンの下、全てのゲストに対して分け隔てなく、キメの細かいサービスを提供している。今回訪れた京都店でも、それは随所に感じることができた。

テーブル担当のスタッフが気さくに話しかけてくれたり、オススメのメニューを教えてくれたり、他愛ないことではあるが一人で食事をしていると、そういう心遣いが嬉しいこともある。

以前に訪れた別の店舗でもサービスが良かった記憶はあるし、「LOVE ALL – SERVE ALL」の精神こそがハードロックカフェの根幹を成すものなのかもしれない。

だとすれば世界中どんな建物で営業しようが、ハードロックカフェはハードロックカフェたりえるのであろう。そんなことを考えながら、町家づくりの店を後にした。

・今回紹介したお店の情報

店名 ハードロックカフェ京都
住所 京都府京都市東山区新橋通大和大路東入元吉町67番地
時間 11時~23時(LO / フード22時、ドリンク22時30分)
休日 なし

参照元:ハードロックカフェ京都
Report:グレート室町
Photo:RocketNews24.
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▼「ええとこ」にあります

▼店内には貴重な展示品の数々が

▼1階のグッズショップには店舗限定の商品も多数

▼3万8000円の京扇子も。私にはちょっと手が出ませんが……

▼ベリー味のビール、ジャズベリーはオススメよ。覚えといてね

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