
2014年にデビュー30周年を迎えた、日本を代表する女性ロックシンガー浜田麻里さん。同年4月に行われた「デビュー30周年記念ツアー」最終日には、世界的に知られるロックバンド「ラウドネス」のギタリスト高崎晃さんを迎え、まさに圧巻のステージを炸裂。伝説級のパフォーマンスでファンを圧倒した。
その浜田さんが、2016年1月13日に通算25枚目のオリジナルアルバムをリリースする。往年のファンはもちろんのこと、近年はサマソニやラウドパークなど、大型フェスに参戦し若年層にもその認知が広がっている。30年を超えて活動を続ける彼女、その原動力はどこから来るのか?
・通算25作目にして『MISSION』
2014年のツアーファイナルを取材した私(佐藤)は、ライブが進むにつれて直視に堪えなくなった。というのも、浜田さんの歌唱力はもちろんのこと、会場を支配する彼女の気迫に気圧されるような気がしたからだ。あの小さな身体のどこに、それだけのエネルギーが潜んでいるのか? 何が彼女を突き動かし続けているのか? その正体を確かめるためにインタビューを行った。
記者「25枚目のアルバムのタイトルは『MISSION』(使命)ですが、なぜ30周年を超えて、このタイトルにしたんですか?」
浜田「また “1” から表現したいという意味を込めて、このタイトルにしました。より高みを目指したMISSIONです。“1” からという意味で、モダンなハードロックにしたいと思いました」
記者「そうですね。作品はストレートなハードロックアルバムになっているかと思います。これまでの作品と、大きな違いはありますか?」
浜田「ハードロッククイーンなんて言われていたこともありますけど、初期はどこか自分自身、幼さがあったと思うんです。今は大人になった私のハードロックを伝えたい。大人になった自分のハードロックを作るというミッションもありました。MISSIONにはもうひとつの意味があります」
記者「もうひとつというのは?」
浜田「シンガーは私の天職、天から与えられた使命だと思っています。そういう意味でも、その使命を果たすためのアルバムだと思っています」
・30年以上の活動を支えるモチベーションとは?
記者「30年以上も活動を続けてきて、挫折を感じたことや、辞めたいと思ったことはないですか?」
浜田「葛藤がなかったというと、ウソになりますけど、挫けるようなことは1度もなかったですね。シンガーを辞めようと思ったことは1度もないです」
記者「30年もの間、モチベーションを維持するのは大変難しいと思うんですけど。誰か手本にしたアーティストとかいますか?」
浜田「デビューした頃から、私にとってのロールモデルっていないんですよ。だから手本というのはないですけど。ただ目の前の課題を1つひとつ越えて、今までやって来た気がします。
ひとつ越えると、次にこうしたいっていうことが出来て、次の作品でそれを越えよう。次のライブで越えようと思うから、少しずつハードルが高くなってきたと思うんですよね。それがモチベーションって言われるものになったのかもしれないですね。常にベストは尽くしてるけど、次はそれ以上を望んでると思います」
記者「ふさわしい言葉かわからないんですが、とてもストイックだと思います。やはり続けるうえで、自分に要求が厳しくなると、特別な努力が必要ではないかと思うんですけど、何か特別な努力として続けていることはありますか?」
浜田「若い時には歌い過ぎないように注意していました。今は歌うための筋肉を落とさないように気をつけています。特別に意識していることはないですね。すべては自然ですね、やっぱり目の前のことを1つひとつやって行くことでしょうか」
・今作で思い入れの強い曲
記者「作品のことを伺いたいのですが、今作で思い入れの強い曲ってありますか?」
浜田「『Sparks』(1曲目)が1番思い入れが強いですね。アレンジがとても気に入っています。元はもっともっと難しい曲だったんですけど、最終的に少しシンプルにして、メロディをのせた曲です。
『Tears Of Asyura』でも苦労しましたね。アレンジがなかなか落ち着かなくて、ミックスの段階でギターを録り直して、完成した曲です。それから『In Your Hands』ですね。原曲は結構ポップだったんですけど、アレンジでハードにできてよかったと思います」
記者「今作は高崎晃さんをはじめ、多くのゲストミュージシャンが参加されていますね。初参加となったビリー・シーンさんはどうでしたか?」
浜田「数年前から彼には相談を持ち掛けていました。前作はこちらの受け入れ態勢が整わなかったんですが、今回ようやく参加してもらえて。彼のプレイは個性的ですよね。とてもアグレッシブで、セッションミュージシャンというよりやっぱりバンドマンって感じでした。実力のある人たちに参加してもらったんですけど、そのなかでも大胆で個性が際立っていました」
・2016年の活動は?
記者「最後にこれからやってみたいことなどをお教えください」
浜田「ここ数年、大きなフェスに出て若い層にも認知してもらえたと思います。今年も都合がつけばフェスに出たいと思っています。それから、2014年に東京芸術劇場でフルオーケストラでのコンサートを行ったんですけど、またフルオーケストラでやってみたいですね」
30年以上もの間、女性シンガーとしてハードロックを歌い続ける彼女。その道のりは穏やかではないはず。むしろ高みを望むがゆえに、険しく激しいに違いないだろう。しかしその道を踏みしめるように、彼女は1歩1歩をあゆんでいる。彼女は使命を果たすため、これからも歌い続けるだろう。
佐藤英典
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