千葉県柏市の住宅街の一角に、フランス城主会公認の “ガチの城” がある。その名は『シャトー・ド・コーマル』で、名称の中に使われている「ド」は、簡単に言えば「正式な城にのみ使うことを許された証」らしい。ちなみに「シャトー」はフランス語で「城」のこと。
とにかく本物の城が……柏市内にある。そもそも本物と偽物の違いもよく分からないが、興味は津々 & 行く気は満々ということで、実際に「コーマル城」に行ってみた。んで、結論から申し上げると、アレは間違いなく本物の城。本物過ぎるほどに、本物であった。
・柏駅から車で約15分
『シャトー・ド・コーマル』は、JR柏駅から車で約15分の場所にある。駅東口から東武バスを利用するなら「刈込(かりごめ)」停留所が最寄りだ。地図アプリを確認しながら、住宅街をさまようこと5~6分。そろそろかな~なんて思っていると案内看板を発見した。順調順調。
そして、看板の案内する方向に視線を向けると……おいおいおいおいいいいいいいッ!
マジで城があるんですけど。
住宅街のド真ん中にそびえ立つコーマル城は、恐ろしいほどに高貴な空気、重厚な雰囲気を醸し出していた。さすがフランス城主会から認められた本物の城……柏市内のこの一角だけヴェルサイユみたいである。
・黒柳徹子さんが命名した噴水
いよいよ、コーマル城の敷地内へ。まず、前庭にある “百科全書を台座にした噴水” は、黒柳徹子さんが「サロン文化の泉」と命名したものらしい……いきなりスゲーな。黒柳さんも「あらま、お出迎えの噴水が立派ね、ビックリしちゃったわ」と感動したのかもしれない。
それはさておき、恐る恐る扉を開けると……今度は「スカルノ大統領から贈られた極楽鳥のはく製」がッ! てか、もう玄関ホールから、フランス宮廷文化の華々しさを丸ごと感じられるほどエレガントである! スゲエエエエエエーーッ!!
・カフェ利休
つづいて奥の喫茶室へ。こちらは時間が限られる(11時~17時)が、予約ナシで気軽に利用できるからオススメだ。衝撃の連続で少し疲れてしまったため、城主が考案したというコマール城オリジナルコーヒー「カフェ利休(700円)」を頼んで休憩することにした。
コーヒーの伝来には諸説あるが、城主曰く「信長の時代に宣教師が持ち込んだコーヒーを、千利休は抹茶のように飲んだのではないか?」と考え、編み出したのが「カフェ利休」。茶筅(ちゃせん)でコーヒーをたてて、砂糖の代わりに和三盆を使うのが特徴だ。ほほう。
さっそく味わってみると、これがまた不思議な美味さ。まろやかで香りも良く、目にも美しい「カフェ利休」には日本らしさを感じる。450年前を再現していると言っても過言ではないだろう。
・城内を見学
さて、ゆっくりしたところでコーマル城内を見学。今さらだがコーマル城は、城主・高丸さんの自宅で、高丸さん自ら長い年月をかけて完成させたもの。フランス18世紀ロココ様式の建築を、日本の住宅に合わせて忠実に再現したそうだ。マジで言葉が出ねぇです。「舞踏の間」や「学問の礼拝堂」などなど、見どころは盛りだくさんだったぞ。
なお、コーマル城では、毎月コンサートやティーパーティーなどの催しが開かれているという。カフェ利用をするだけでも貴族気分は味わえるが、興味のある方はチェックしてみてはいかがだろうか。そして最後にもう1度だけ言っておくが、あの一角はマジでフランスだぞ!
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 コーマル城(CHATEAU DE COMAL)
住所 千葉県柏市東柏1-21-15
時間 11:00~17:00
休日 火曜日
Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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▼コーマル城内で撮影された雑誌やパンフレット
▼撮影禁止のエリアも多かったので興味のある方は実際に足を運んでみてくれ
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