いきなりだが絶望しかない。誰だよそんなにいらねーって言ってたヤツ。今日がゴールデンウィーク最終日って……そんなの信じられるわけないだろうが! あああああああああ!! 殺せ、いっそのこと殺せェェェェェェエエエエ!
さて、皆さんGWはどうでした? どこかに行きましたか? もしかしたらちょうど今、帰りの電車の中かもしれませんね。実は私(あひるねこ)も連休中にちょいと出かけまして、帰りはグリーン車に乗ってきたんですよ。いや~ラクチンだったなぁ。グリーン車最高! ただまあ、心臓は止まりかけましたがね。
・どっちに乗る?
追加料金を支払って乗車するグリーン車。大人の贅沢って感じがして なんか好きだ。ところで、在来線のグリーン車は車両が2階建てになっていることが多いが、あなたは1階席と2階席ならどちら側を選ぶだろうか?
私はというと、断然2階派である。その方が景色をより広く見渡せるし、解放感もある。逆に1階は窮屈なイメージがあるため、できることなら2階側に乗りたいというのが正直なところだ。あと1階よりも2階の方が、「よっしゃグリーン来た!」感が強いと思われる。
・初の1階席へ
しかし、車内が混み合うGW中はそんなことも言っていられない。まずは何をおいても席に座る! もっとも優先すべき最重要ミッションはこれなのだ。そのためなら、かつて慣れ親しんだ同胞(2階席)さえ簡単に切り捨てよう。……そうやって心を鬼にした結果、私は生まれて初めてグリーン車の1階席に乗ることに。
と言っても、実際に乗ってしまえばそこまで変わったことはない。座席の構造だってほぼ同じだ。さあ、あとは目的地までゆっくり過ごすか……と、スマホ片手にウトウトしかけたのも束の間。途中の停車駅で、私の目はバッチリと覚めてしまった。な、何だこの……
駅のホームの光景は……!
・初めての景色
想像してみてほしい。グリーン車の1階席へは普通、車両の中にある階段を下りて乗り込む。つまり、客席はホームより下側の位置にくるのだ。そこから窓を眺めるとどうなる? そう、まるで自分が線路に降りて、ホームを見上げているような形になるのである!
うわ、すっげーーーーー! こんな画(え)初めて見るぞ!! もちろん線路に降りた経験なんて一度もないので、自分の目線より上に駅員や他の乗客、自販機やゴミ箱があるという非日常的な景色が、新鮮なことこの上ない! これは2階席じゃ味わえないな。
・軽率だった
職業病というヤツだろうか? 普段から私は、何か見慣れぬモノに出くわすとスマホで写真を撮る癖がある。後々記事のネタになるかもしれないからだ。この時も、1階席から見るホームの光景をカメラに収めようと、身を乗り出してスマホを構えていた。
しかし。
次の瞬間、私は即座に自らの行動を悔いることになる。なぜならそこへ、あまりにも絶妙なタイミングでスカートを履いた女子が現れたからだ。さらに言うなら、これは気のせいかもしれないが、カメラ越しに目が合った……ような気がしたのである。
・終了
あ、ヤベーなこれ。周囲は静寂に包まれた……いや、私が世界から切り離されたのか? 心拍数が不穏なリズムを刻んでいるのを感じる。極限まで圧縮された時間の中、かつてない集中によりフル回転した私の脳が導き出した答えは、スカート内の盗撮を試みたおっさんが御用でした。本当にありがとうございました。
神に誓って何もしていないし何も見てもいないが……万が一の場合、御用になったという記事は当サイトの誰が執筆するのだろう? そんな考えが頭をよぎる。編集長による謝罪文が掲載される未来もワンチャンあるでこれ。
・“無” へ
そういった気はさらさら無かったとはいえ、言い逃れができないような状況でもある。シートに深く、そして静かにもたれ掛かった私は、何となく呼吸を止めた状態で電車の発車を待った。前を見たまま急に石化したこの男を、隣の乗客はさぞかし奇妙に思ったことだろう。
結論から言うとその後、恐れた事態は何も起きなかった。きっとホーム上でグリーン車の1階席を気にする人自体、自分も含め少ないんだろうな。だが、中には不届きな者もいるはず。女性は特に気を付けた方がいいぞ。まあその場合、私はここにいなかったかもしれないが。
・2階席最高!
1階席で見たあのどこか不思議な光景は、非日常感があってとても面白かった。しかし今後は、再び2階席に戻るつもりだ。一度は浮気したものの、私の居場所はやはり2階なのである! 2階席最高!! とまあ、私はこんな連休でしたが、皆さんはいかがでしたでしょうか?
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.