この世は世知辛い。あぁ世知辛い。「いきなり嘆くな。新生活の時期に陰気くさいぞ」と思われた方も、とにかくこれからご紹介する調査結果を見ていただきたい。きっと一緒になって嘆いてしまうはずである。

2019年春から働く社会人1年生と、すでに働いている2年生、計1000名を対象にソニー生命が3月15日~22日のあいだ意識調査を行い、『やる気を奪う先輩の言葉ランキング』を発表したのだが……これが世知辛いセリフのオンパレードなのだ。

「もうやめてくれ」と言いたくなるセリフの数々

早速ランキングの内容を見ていこう。20~29歳の男女1000名に「先輩社会人に言われたら、やる気が奪われてしまうセリフ(複数回答・3つまで)」を聞いたところ、結果は以下の通りとなった。

1位は31%の人が答えた「この仕事向いてないんじゃない?」、2位は25.5%が答えた「やる気ある?」である。自分の適性や意欲を認めてもらえないのは確かにショックだ。「やる気ある?」なんて言われたらやりたくなくなる。「宿題やったの?」現象である。

そして3位は「ゆとり世代だなぁ」で23.7%、4位は「私が若いころは〇〇だったのに」で22.9%。世代差を利用したイヤらしい責め方だ。世代じゃなくて私を見てくれ、若いころじゃなくて今を見てくれと言いたいが、そんなロックな反論はなかなか吐けない。

そのほかにも、「そんなことは常識でしょ」(18.2%)、「前にも言ったと思うんだけど?」(14.0%)、「言っている意味わかってる?」(13.5%)、「ちゃんと考えたの?」(13.3%)など、「もうやめてくれ」と言いたくなるセリフの数々がランクイン。

こんなに厳しいセリフが降り注いだら、耐えきれなくなる人も出てくるのでは……?


・耐えきれるのか、若き社会人たち

嫌な予感は当たるものだ。意識調査内の「最初に就職する(した)会社で、どのくらいの間、働いていたいと思うか(単一回答)」という質問に対し……

なんと社会人2年生500名のうち27.4%が「すでに辞めたい」と回答。嫌な予感のスマッシュヒットぶりに逆に困惑するレベルだ。

幸い、1年生500名のうち「すでに辞めたい」人は9%程度のようだが……いや、それでも多くないか? 3月の時点で社会人1年生の9%が「すでに辞めたい」ってヤバくないか? 

このままだと1年生・2年生ともに、先行きが見えずくじけてしまう人が続出しかねない。


・「もっと言ってくれ」と言いたくなるセリフの数々

そこで役に立ちそうなのが、先ほどとは逆に、彼らが「落ち込んでいるときに先輩に言われたら、やる気に火がつくセリフ(複数回答・3つまで)」ランキングだ。

1位は43%が答えた「君がいて助かった、ありがとう」、2 位は30.7%が答えた「本当によく頑張った」となっている。どちらも優しい労(いたわ)りのセリフだ。確かにこんなことを言われたら、クゥンと鼻を鳴らして先輩にすり寄ってしまいそう。

3位は「何でも相談してね」(25.8%)、4位は「一緒に乗り越えよう」(24.8%)と続いている。やはり自分たちの心に寄り添ってくれる先輩が人気のようだ。


・世知辛い世の中だけど

ここまでざっとデータを見てきたことで、社会人1・2年生の本音と願いが明らかになった。先輩に甘えてばかりなのはもちろんマズいが、彼らがくじけてしまわぬよう、なるべく先輩方にも歩み寄りの意識を持っていただけたら幸いである。

調査結果のページには、ほかにもさまざまなデータが載っているので、気になる方はぜひチェックしてほしい。世知辛い世の中ではあるが、皆で温かな言葉をかけ合いながら歩んでいきたいところだ。

参照元:ソニー生命調べ「社会人1年目と2年目の意識調査2019
執筆:西本大紀
Photo:RocketNews24.