日本の国民食とも言えるカレーを出すお店で「会員制」ですって? しかも、会員になるための資格はズバリ「タバコを吸わない人」だとか。一体どんなお店なんだろう。
私(ショーン)はタバコを吸わないので「非喫煙者」の条件はバッチリ満たしている。しかし、まさかの理由でお店から入店お断わりされることになるとは……
・会員制カレー屋に潜入
“日本一洗練されたエリア” と言っても過言ではない、銀座にその店はある。最寄り駅の京橋駅からトコトコと歩くと、5分もしないうちに看板と遭遇した。
今回、訪問するお店「京橋屋カレー」に到着だ。
看板に向かって右には暖簾(のれん)。それをくぐって、階段で2階へ上がる。
すると見えてきたのは、ガラス張りの扉だ。
さっそく開けようとするが、よく見るとドアの左上部分にこんな注意書きが。
「ドアを開けないでくださいね!」
・会員になりたい
客を出迎える扉に「開けないで」という注意書き……これはハンターか何かの試練なのか。さすが会員制の店、一筋縄じゃあいかないぜ……と妙に納得していると、店内から女将さんらしき女性が現れた。ドキドキ2択クイズか!? と身構えていると……
女将「いらっしゃいませ〜初めてですか?」
弾ける笑顔で話しかけてくる女将。なぁ~んだ、普通に感じのイイ店じゃあないか。ホッとしたので、もうココは素直に思いを告げちゃうことにした!
私「あの、ここのカレーが食べたいです。タバコも吸いません。 会員にしてください!」
女将「……ごめんなさい」
私 「ガーーーン!!(泣) なんで! どうして?」
・会員はもう作らない
そもそも、なぜこの店が「会員制」を導入し「非喫煙者」を会員資格としているのか、女将さんは丁寧にゆっくりと説明しはじめた……。
「ウチの主人、『化学物質過敏症』なので、タバコの臭いで体調を崩しちゃうんです。だから開店当初は『非喫煙者』だけを会員として迎え入れていたんですけど……最近は柔軟剤とか整髪料にも反応するようになっちゃって。お客さんと対面するのが難しいんですよ。ゴメンなさい……」
そんなこんなで新規会員を受け付けていないとのこと。また、ごく一部の会員は今でも入店できるらしいが、5月中旬以降からは完全にテイクアウト専門店になるようだ。しかし「化学物質過敏症」とは……そんな病気がこの世にあることすら知らなかったが、それは致し方ない。さぞや日常生活も大変な苦労をされていることだろう。
・テイクアウトは誰でも可
ただ、入会&入店は丁重にお断りされたが、テイクアウトであれば非会員でも喫煙者でも、つまり「誰でも」できるそうだ。
ということで今回は「カレー3種類+ライス」注文した。お会計は2100円。うっ……イイお値段。なんてったって銀座の会員制カレー屋さんだからな。でもここで引き下がれないので、しっかりと支払ってカレーを受け取った。テイクアウト用の袋はカレーらしい黄色だった。
・いざ実食
3種のカレーは「辛口伊達鶏カレー」「ときえカレー(※意味は後述)」「キーマカレー」だ。ライスは「キーマ」の下にあるぞ。
3種とも独自のスパイスミックスを使っているそうな。一方で、化学調味料や添加物はもちろん、小麦粉はおろか、水すらも一切使わず(!)、素材の旨味をギュッと煮詰めたこだわりのカレーとのこと。ひょえ~!! 確かに水を使わないカレーは美味しいって言うよなぁ~。
ダメだ、もう我慢できない。さっそく、いただきま~……と、その前に!! せっかく自宅に持ち帰ってきたので、少しだけレンチンしてお皿に移し替えた。
うん! 「3種のカレー」っぽさがアップした! 今度こそいただきます。
・まずは「キーマカレー」
キーマカレーを食べてみると、しっかりとした肉の旨味とほのかな酸味が口の中に広がる。酸味はトマトジュースを使っているからだそうだ。辛さはほとんどないが、スパイスがしっかりと存在感を発揮しているなぁ! コレは、ご飯が進む〜っ!! だから最初からライスの上に盛られていたのかな?
・続いて「ときえカレー」
ときえカレーは鶏肉、キャベツ、海老、の頭文字を取って「ときえ」だそうだ。そのネーミング通り、鶏肉の旨味の後にキャベツの優しい甘みが追いかけてきて、最後に海老の出汁(だし)で〆てくれる。海老の身もプリっとしている。カレーというより、上品な洋風具だくさんスープといった感じかな? ライスとも合うけど、そのままでもトレビアンであります。
・最後は「辛口伊達鶏カレー」
名前にもあるように……辛口伊達鶏カレーは辛い! 私は辛さに強いほうだが、汗をダクダクかくぐらいスパイスが効きに効きまくっている! あーー辛い! でも旨いから止まらない!! 辛い!! 旨辛というヤツです。大きめの鶏肉も食べごたえがあってグッド。これ、3種の中で一番好きかも!
・スパイスカレー好きには断固オススメ! だが……
3種とも非常にスパイシーでめちゃめちゃ美味しゅうございました! 小麦粉が入っていないからか胃に重くないし、一汗もかいて気分爽快。小麦粉がしっかり入っている欧風カレーが好きな人にはオススメできないかもしれないが、スパイス好きには絶対行ってほしいお店だ。
しかし、ここで頭をもたげてくるのが「2100円」というブルジョア価格。美味しいとはいえ、庶民の私には高級で年に一回食べられるかどうか。その貴重な一回を使ってしまった。どうせならスパイスカレーが最もおいしい季節である夏に食べれば良かった! しくじったぁ~!
・とはいえ、1000円~のメニューもある
今回食べた「3種のカレー」は2100円だが、1種類だったら1300円ほどで食べられる。さらに1000円で食べられるお試しメニューもあるゾ。このお値段なら、たまーに食べられるかな? 興味を持ったカレー好きもぜひ一度お試しあれ!
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 京橋屋カレー
住所 東京都中央区京橋3-4-3 千成ビル2F
時間 火〜金 11:30~14:30 / 土・祝 12:00〜14:30
休日 月曜日・日曜日
参考リンク :Twitter @kyobashiyacurry、京橋屋カレー
Report:ショーン
Photo:RocketNews24.
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