発売から数日後に入手したにもかかわらず、初期不良でメーカー送りとなった筆者のXperia XZ3。ことの顛末については過去の記事を参照して頂きたい。

あれから2週間弱、ショップから連絡が来たので早速受け取ってきた。今回は一切の油断なくその場でチェックしまくった結果、パネルのがたつきは見事に解消されていた! のだが、リペアレポートの内容があまりに予想外。えっ、これって……。

・まさかの故障原因

筆者が修理に出した理由は一つ。パネルの接合不具合だ。つまり、中身ではなく外装の問題である。機能面については、一晩しか使えなかったものの特に異常は感じなかった

GPSも正確だったし、ネットもサクサクで、Wi-Fiの接続も問題なかった。ディスプレイは綺麗だし、Amazonで映画も見れた。お財布ケータイも機能していたし、何よりサービスモードでチェックしたので万全だ。

ゲームの挙動についても、筆者がハマっている「Fate / Grand Order」はめちゃくちゃ快適だった。更に、要求スペックが高いことで知られる「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」もプレイしてみたがXperia XZとは比べるまでも無い快適さ。

外装に問題を感じなかったら間違いなく修理になど出さなかっただろう。にもかかわらず、レポートにはこう記されていた……ッ!


外観検査の結果、その他破損関連不良の現象は確認できず


あの端が浮いてるのは不良じゃないのぉ? ええー? ほんとにござるかぁ? その割に、修理から戻ってきたものはガッチリくっついてるけどなぁ……。謎の記述はこれだけではない。


機能・動作検査の結果、その他移動機関連不良の現象を確認。


移動機関連不良って何よ? 外装がちゃんと接合されてないのは外観ではなく移動機関連なのだろうか? そもそも移動機とは技術文書上で見られるスマホそのものを意味する呼称だと思うが、全く分からん……。そして極めつけは修理内容である。


【修理内容】基盤の交換


基盤の交換って、それ修理的には一番デカいやつじゃん? 購入翌日でそんなに重症だったの? ……これ以上の詳細は不明だ。故障原因に「基盤の不具合」と書かれているだけである。

基盤の交換の影響か、スマホ1台1台に割り当てられた国際的な識別番号であるIMEIが変わっていることが確認された。他に修理を経て変わったところは確認できない。

中身に不具合は感じず、外装の不具合で修理に出したと思ったら、中身だけ修理されて戻ってきた。何を言っているのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった……。

まあ修理費用は無料だったし、実際に外装の不具合も直っているので結果だけ見るなら全然問題ない。でもなんだろうこのモヤモヤした消化不良な感じは。

・脳裏に浮かぶ「初代α7・α7Rのマウント問題」の記憶

ここで筆者が思い出したのは、SONYのミラーレスカメラα7シリーズの初代α7およびα7Rが発売された時のことだ。今でこそ世代交代し、中々の評価を得ているこのシリーズ。

しかし、初代両機は発売後すぐにネット上で指摘された、ある問題を抱えていたのだ。ガジェット好きの方ならご存知かもしれないが、それはレンズを装着するレンズマウントの強度が低いというもの。

筆者の知る限りだと「価格.com」への投稿が騒動の発端となった。その噂はたちまち広まり、ユーザーの間でこれは割とガチだという認識に至ったと思う。

余りの騒動の大きさから、金属製で強度を増したマウントパーツがサードメーカーから発売されたほどである。筆者も初代α7Rをいまだに現役で使用しているが、メンテに出す時は元に戻したりしつつも、実はマウントを付け替えてある。

更にSONY自らこの問題を肯定するかのように、α7とα7Rの発売から少し遅れて発売されたα7Sでは、マウント部分を完全に金属製のものに変えてきていた。

当時も今回の筆者のように、この問題を初期不良として修理に出し、結果をネット上に公開するユーザーはいた。その時の修理内容も、「異常なし」という判断の上での外装の交換対応だったと記憶している。

筆者自身は修理に出さず、先述のとおりサードパーティ製の金属製マウントに付け替えた。実際の対応は体験していないので自分の言葉で語れることは少ない。気になる方は「α7 点検修理 マウント」などでググッてみるといいだろう。

今回の不可解な「異常なし」判定からの、不可解な修理で症状が改善している点が似ているので、どうしても思い出さずにいられなかった。……もしかしてそういう方針なのだろうか?

・真相は闇の中

話をXperia XZ3に戻そう。実際に基盤の交換で外装の接合不良が直ったのだとしたら、初期ロット以降で基盤のデザインなり建て付けを改良していて、そっちに付け替えたということだろうか。

こればかりは外装に不具合のあるままの筐体と、不具合の無い筐体を入手し、バラバラに分解して確かめる必要があるだろう。そのうち海外メディアがやりそうな気もするが、現時点において真相は闇の中だ。 

ちなみに機能や性能面については、一言でいうなら最高である。筆者が今まで世代遅れのXperiaXZを使っていたというのもあるが、快適さは段違い。もちろん細かい不満はあるが、その辺も含めて後日詳しく記事にする予定だ。

参考リンク:価格.comAmazon(英語)
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.

▼リペアレポート内のメーカーコメント全文

▼変わってたIMEI