平成最後の夏は終わったが、平成最後の天体イベントシリーズはまだまだ終わらない……今度はお月見だァアアアアアア! ということで、2018年9月24日は旧暦の8月15日、つまり「十五夜」に該当する。
この日に見る月こそ、中秋の名月として名高いもの。カレンダーも空気を読んで3連休というナイスなタイミングだ。気候もすっかり涼しく過ごしやすくなってきたことだし、月曜日はお月見してみよう!
・月の地名を紹介
とはいっても、月なんてしょっちゅう見えてるし……という方もわりといるのではないだろうか。わかる! 月は普通に見慣れていて、スペシャル感がイマイチなのは否定しようがない。
そこで今回は、月の見え方が変わるかもしれない情報をお伝えしようと思う。それはズバリ「月の地名」だ! 見慣れていても、なんだかんだで地名まで把握している方は少ないのではないだろうか。名前がわかると見え方もちょっと違って楽しいぞ!
・実は角度が変わる
地名の前に、先に触れておかなければならないことがある。実をいうと、月は東から昇ってから西に沈むまでの間に見えている面の角度が変わっていく。日本ではよく「餅をついているウサギ」に例えられるが、見る時間によってはどうもウサギに見えない。
ぱっと見て比較的「餅つきウサギ」っぽく見えるのは、月がまだ東の空にあるとき。そこからどんどん時計回りに模様が回転していく。ぶっちゃけ南中(一番高く昇った状態)した時点では、ウサギはだいたい横倒しになっていて、何が何だかわからないと思う。
これは筆者の勝手な推測だが、月の模様を「餅つきウサギ」に例えるのが広まったのは、昔は昇ったばかりの月がよく見えたからではないだろうか。しかし、今では高い建物が多くて難しい。そこで今回は、現代でも見やすい南中した月の横倒しのウサギを元に、月の地名を説明するぞ。
・右端から順に
地名は右端から順番に縦に、小説を読むような順番でお伝えしていく。一応ウサギのどの部分かもあわせて書いていくので参考にしてみて欲しい。なお、筆者の知る限りで複数の呼び名を持つ地名は、基本的に国立天文台が月周回衛星「かぐや」からのデータを使用して作成した月面地図に沿っている。
1:危機の海(ウサギの耳の上にある丸いエリア)
2:豊かの海(ウサギの上側の耳)
3:静かの海(ウサギの頭 アポロ11号の着陸地点は、ここの下側の耳の付け根あたり)
4:神酒の海(ウサギの下側の耳)
5:晴れの海(ウサギの胴体の背中側)
6:蒸気の海(ウサギの胴体の前側)
7:雨の海(ウサギの背中からお尻あたり)
8:中央の入り江(ウサギの手で、丁度月の中心あたりに見える)
9:既知の海(ウサギの臼の一部)
10:雲の海(ウサギの臼の一部)
11:嵐の大洋(左端の、ウサギの足とか影とかがあると思われる広いエリア)
12:湿りの海(ウサギの臼の一部)
・「十三夜」の「栗名月」もある
これでもう地球から見える、月の表面のおおまかな模様に関してはきっとバッチリなはず! さてさて、いかがだろう……? あらためて月の模様の位置と名前が一致すると、その見え方も変わってこないだろうか?
さっそく、24日は家族や友人、恋人と共に「ごらん、あれが危機の海だよ」などとやり取りしながらお月見をエンジョイしてみて欲しい! なお、もし天気に恵まれず月が見えなかったとしても大丈夫。実はお月見のチャンスはもう一度あるのだ。
それは旧暦の9月13日、つまり「十三夜」に見ることができる「栗名月」と呼ばれるもの。中秋の名月の次に美しいとされる月で、国立天文台によると今年は10月21日だそう。でも今は「栗名月」の話は後にとっておくことにして、まずは中秋の名月を楽しもう!