きわどい表現もたまに登場する深夜アニメ。BPO(放送倫理・番組向上機構)では、毎月視聴者から寄せられた意見が紹介されているが、深夜アニメについて苦言を呈する内容が少なくない

その意見で毎回よく入っているのが「子供が見たらどうするのか」ということだが、そんな深夜アニメへの苦情に対する意見が「ド正論すぎる」と話題になっている。

・深夜アニメに寄せられる声

BPOはこの度、「2018年8月に視聴者から寄せられた意見」を公開した。「番組全般」と「青少年に関する内容」の2項目で毎月視聴者の声をかいつまんで紹介しているこのお知らせ。深夜アニメに対しての苦情が見受けられることも少なくない。例えば下記のような声だ。

2018年4月「深夜のアニメ番組で、女子中学生に対して暴行、性的暴力、いじめを助長する描写があり、また未成年者の犯罪行為を肯定するようにも受け取れる描写が見受けられた。公共の放送で、このような内容のアニメを放送することに対して不快な思いをした」

2017年10月「アニメ番組で、知らない家に侵入して、家族を次々に殺すというシーンがあった。見ていて残酷で不快だった。深夜の時間帯といえども、録画などで子どもたちが見てしまうと悪影響を及ぼすのではないかと心配だ」

──2018年4月で「女子中学生に対して暴行やいじめ」と言えば『魔法少女サイト』が思い当たるが、個人的にはむしろそういう行為に対して嫌悪感を抱く表現だったように感じた。

また、2017年10月で「知らない家に侵入して、家族を次々に殺す」は『いぬやしき』かもしれないが、殺しまくったキャラは、親友をなくし恋人にも会えなくなり最終的に自爆して死んでいる

あくまで個人的な予想なので、作品が合っているかは分からないが、少なくとも前述の作品に関しては、キツイ表現ではあるものの、決して肯定的には描かれていないことは付記しておきたい。さて、そんなアニメへの苦情の声に対して今回BPOに寄せられていた意見が下記の内容。

・アニメの苦情についての意見

「深夜のアニメに苦情が入り過ぎている。深夜アニメは子どもが間違って見ないように深夜に放送しているのであって、それに対して”子どもが見たらどうするのか”という意見を述べるのはおかしい。

子どもが深夜アニメの時間帯に起きているのであれば、それは子どもを寝かさない親の責任であって、番組に責任があるのではない」

──深夜アニメは放送の時間帯ですでに配慮がされているという意見だ。一理あると思う。私が子供の頃は、それこそ深夜にもっと直接的な表現のものも放送されていたし。これに対し、ネットでは以下のような声があがっている。

・ネットの声

「まあ、そうなるな」
「そりゃそうだ」
「その通りだわ」
「ド正論すぎる!」
「深夜になっても子供を起こしてるのは完全に親のモラルの問題」
「家庭の裁量でなんとかする範囲とおも」
「これは深夜アニメだから叩いてるっていうよりも、とりあえず難癖つけてアニメを叩いてるようにも見えるんだよなあ」
「でも、それで収まらないと教育委員会に飛び火するんですよね。。」
「自分の気に入らない事は文句を言えばいいという親の発想が一番子供に悪影響な件」

──「ド正論」との声多数。だが、一方で、以下のような声もあがっている。

・時間帯に対する反論

「ネットで今は簡単に見られるのを、親のせいにしてる」
「録画させないのも親の責任か……」

──今はネットがあるので時間帯は関係ないという意見も。「時間帯」だけについて言えばこれも一理あるが、アニメをネット視聴する場合、普通は「ネットフリックス」などの登録制のサイトでないと見られないため、自分で完全に取捨選択して見ていることになる。したがって、「もし見たら」という前提は当てはまらないような気もした。

何かと犯罪や教育上の目の敵にされている感もあるアニメ。深夜アニメは過激な表現を控えるべきか……あなたはどう思うだろうか。

参照元:BPO
執筆:中澤星児
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