かつて東京・代々木は、「予備校生の街」だった。今でも少なからず予備校は存在しているものの、少子化や授業のオンデマンド化が加速して、予備校に通う受験生の数は昔よりも少なくなってきている。とはいえ、若者はいつの時代でもお腹を空かせており、安くてウマいものを求めている。

そんな若者の胃袋を満たし、受験への意欲をかき立てるお店がある。その定食屋「しょうが亭」では、なんと定食の名前が大学の名前になっている! とりあえず、日本大学を頼んでみたぞ!

・代々木の老舗食堂

お店はJR代々木駅から徒歩約5分のところにある。代々木は安くて美味しい店が多く存在するのだが、シンボリックな建物や大きな商業施設がないため、このお店のような小さな食堂が、小さな路地でひっそりと営業を行っている。

外観から、お店の歴史を感じる。実は私(佐藤)の40代の知り合いが学生時代に良く通ったと話している。少なく見積もっても20年以上も前から営業を続けているのだ。


・早稲田と医学部は休校

定食メニューのほとんどが、大学の名前を冠している。「大学弁当進学案内」としてあるものは、東京大学(850円)や慶応(750円)、明治(650円)、法政(650円)など。なぜか早稲田大学と医学部が休校中扱いになっている。何か気になる……。


それらのなかで、私が気になったのは、白百合女子大学と聖心女子大学に挟まれている、日本大学(950円)だ。

あの事件以降、何かと話題になった日本大学は、どんな形の定食になっているのか? しょうが焼きとエビフライの盛り合わせらしい。ガッツリ食いたいので、肉をダブル(+350円)を追加注文した。

そして出て来た定食……

日本大学がコレだッ!!


おお! これはなかなかボリューミー!! 体育会系の学生の胃袋を満たしてくれそうなパワー飯である。いや、まて、まてよ……

エビフライが2本……

日本大学にはエビフライが2本。にほん大学にはエビフライがにほん……はッ!! まさかコレが日本大学定食の由来なのでは!?

それはさておき、汁物は豚汁だ。ただのみそ汁ではないところに、お店の心意気と愛情を感じる。おかずだけでなく、汁でもパワー!


・ガツンとしょうが焼き

食べてみると、しょうが焼きはガツン! と しょうがの風味が効いている。豚肉は肉厚で食い甲斐がある。これはスタミナを供給するのに最適な一品だ。今年の夏はとくに暑かったので、こういう味が五臓六腑に浸みわたる。ウメエな!!


・理想的揚げ具合

エビフライは衣サクッサク! 油の切れが良く、歯触りが良いだけでなく、食感に揚げ物特有の “重さ” がない。軽い! そして中にはプリプリのエビ。何という理想的なエビフライだろうか。


・幸せな青春時代

しょうが焼きをご飯にドン! と乗せて食せば、無限に白飯が食える気がしてくる。

私は思う、こんな美味しい定食をたべられる若い世代は幸せだと。いつも腹が減っていたとしても、ここの定食を食えば元気が出る。若さゆえにぶち当たるさまざまな問題にも、立ち向かって行けるはずだ。うらやましい! そんな青春がうらやましい!!

ということで、来世はこのお店の近くで青春を送ることのできる人生にしたいと思う。そう心に誓ってお店を後にした──。

・今回訪問した店舗の情報

名称 しょうが亭
住所 東京都渋谷区代々木1-42-5
営業時間 11:00~15:00 17:00~21:00
定休日 土日祝

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

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