先日、53歳という若さで亡くなった漫画家のさくらももこさん。きっと多くのファンが悲しみに暮れたことだろう。しかし、いつまでも泣いているわけにはいかない。今こそ先生の作品で思いっきり笑って、悲しみを吹き飛ばしてやろうじゃないか。

というわけで、今回は Amazonプライムで見ることができるアニメ「ちびまる子ちゃん」の中から、とびっきりの神回をご紹介するぞ! 特に初期は神回だらけの同作だが、個人的にもっとも笑ったのが『金魚すくいに情熱を』という回である。これは本当にヤバイ。

・Amazonプライムで視聴可能

現在 Amazonプライムでは、「ちびまる子ちゃん」のシーズン1(141話分)とシーズン2(400話分)の視聴が可能となっている(2018年8月30日時点)。その膨大な数にビビッてしまうかもだが、シーズン1の第132話『金魚すくいに情熱を』だけは絶対に見ていただきたい。

・絶対見るべき神回

1992年7月26日に放送されたこのエピソード。ストーリーはというとこんな感じだ。Amazonプライムの解説から原文ママで引用しよう。

「まる子とお姉ちゃんとおじいちゃんの三人は、一体誰が一番、金魚すくいがうまいかで言い争っていた。勝負をつけるため、金魚すくいをやりにきた三人は、各々テクニックを駆使して金魚をすくう。勝負がつかず、後日再選することになった三人の金魚すくいの行方は……」

・本人による脚本

その通り、くだらなすぎる。お母さんも「そんなもん誰だっていいわよ……」と吐き捨てていて最高だ。このように、初期は脚本をさくらももこ先生が手掛けているせいか、ちょっとしたセリフにもエッジが効いていて非常に面白い。

・ここが面白い

さて、以下では少々ネタバレ的な要素を含むが、この回に関しては「だから何だ」という感じなので、どうぞ安心して読んでほしい。話の序盤、金魚すくいの腕に絶対の自信を持つ三人は、三つ巴になり死闘を繰り広げていく。

・ボケしかいない

この回で笑えるのは、三人の中にツッコミ役が誰もいないという点である。本来、この組み合わせならお姉ちゃんがツッコミに回りそうなものだが、そんな素振りは一切なし。ガチゆえに、三人それぞれが終始ボケなのだ。これはなかなか珍しいのではないか。

お互いに「できる……!」「手強い相手だよ……!」などとテクを競い合う様は、何やってんだコイツら的な面白さに満ちている。しかし、これだけでは神回と呼ぶには少々物足りないだろう。何かもう一展開ほしいところ……と、そこへやって来るのがタケシである。

・屈指の名モブ

タケシって誰だっけ? と思ったあなた。無理もない。タケシとは、彼女にいい所を見せたいだけのただのモブキャラだ。が、この男の介入によって、話はさらに面白さを増していく。

・タケシが気の毒

後日、決着をつけるため再び対決に臨んだ三人は、店で一番大きな金魚を巡ってタケシと争うことになる。よく分からない家族に囲まれ、謎の妨害を受けまくるタケシのリアクションがいちいち笑えるので必見だ。それにしても、まる子たち頭おかしすぎるだろ。

三人が心の中で「タケシ」「タケシ」とやたら呼び捨てにするのも地味に面白い。これもまた、セリフの妙だろう。そしてその後、話は予想外の展開を迎えるのだが……それは実際にあなたの目で確かめてほしい。オチも含めて完璧だぞ。

・記憶に残る名作

他にも、おじいちゃんの年金で寿司を食いまくる話など、神回を挙げるとキリがない。きっと誰にでも、思い出深いエピソードが一つや二つあるのではないだろうか。こんなに面白い作品を生んでくれた、さくらももこ先生に心からの感謝を。御冥福をお祈りいたします。

参照元:Amazon
執筆:あひるねこ