スタジオジブリの代表作の1つ『となりのトトロ』。日常とファンタジーの隙間を絶妙に行き来する本作が、2018年8月17日「金曜ロードSHOW!」に登場する。子供の頃、家の床下で小トトロを探したことがある私(中澤)。多分50回くらい見ているが、もはや知っていても放送が楽しみで仕方ない。
名作であることは言うまでもない本作だが、私(中澤)にはどうしても気になってしまうことがある。それは、主人公の姉妹・メイとサツキの名前。そう、どちらも「5月」を意味するのだ。一体、5月に何があるというのか? そこでプロレスマニアに聞いてみたところ衝撃の事実が判明した!
・5月が意味するもの
「メイ=May」「サツキ=皐月」……どちらも「5月」という意味のある2人の名前。そもそも、作中で名前が判明する人物がほとんどいない中で、主人公2人が5月を指すというのは意味深である。宮崎駿監督は『となりのトトロ』を通して我々に何かを伝えようとしているのかもしれない。
そこで、正体を編集長のGO羽鳥(プロレスマニア)と先輩記者P.K.サンジュン(プロレスマニア)に聞いてみた。5月に一体何があるんですかね?
GO羽鳥「レスリングどんたくだ」
──えっ! 『レスリングどんたく』って何ですか!?
P.K.サンジュン「『レスリングどんたく』とは、90年代にドーム大会を連発していた新日本プロレスが、5月に福岡ドームで開催した興行のことです。それまで九州の聖地は『博多スターレーン』でしたが、規模的な意味合いで福岡ドームが選ばれたのでしょう」
GO羽鳥「福岡ドームでは合計5回の『レスリングどんたく』が開催されているが、プロレスファンにとってはGWの風物詩、お祭り的な意味合いが強い大会だ。5月と言えば、レスリングどんたく!」
──なるほど。「5月」にそんな意味があったとは……。
GO羽鳥「つまり、本作は90年代の新日本プロレスを描いていると言えるだろう」
P.K.サンジュン「物語のキープレイヤーを見ると、さらに顕著です」
──と言うと?
P.K.サンジュン「トトロ、メイ、サツキが中心にストーリーが展開する本作ですが、もう1人……いや、1匹、このキャラがいないとどうにもならないという重要な役割のキャラがいますよね?」
──そんなキャラいましたっけ? カン太?
P.K.サンジュン「ネコバスです」
──あっ!
P.K.サンジュン「比較的中立的な立ち位置ながら、物語のクライマックスで重要な役割を担うネコバス。このキャラがいなければ、サツキがメイを見つけることはできません。そして、90年代の新日で『ネコ』と言えば……」
GO羽鳥「ブラック・キャット!」
P.K.サンジュン「そう! ネコバスは “ネコさん” の愛称で親しまれたメキシコ人レスラー『ブラック・キャット』です。レフェリーも務めたブラック・キャットは、中立な立ち位置で鍵を握るネコバスにリンクします。この符合は見逃せない」
・『となりのトトロ』に描かれているもの
GO羽鳥「ちょっと待て……! キープレイヤーにブラック・キャットがいるということは『となりのトトロ』が描いているものはまさか……」
P.K.サンジュン「そのまさかです。90年代、新日、ブラックキャット。ここまで来るとセイジ君にも分かっちゃったかなあ?」
──いや、さっぱり。
GO羽鳥「ドラゴンボンバーズしかないだろ!」
──ドラゴン……何?
P.K.サンジュン「ドラゴンボンバーズは、藤波辰爾が相撲部屋をヒントにして1990年につくりあげたユニットです。今でこそユニット同士の対抗戦は当たり前になっていますが、この当時は他になかった……ので、対戦相手もいませんでした。早すぎたんですね。
ちなみにドラゴンボンバーズのメンバーは、藤波辰爾、越中詩郎、獣神サンダー・ライガー、ブラック・キャット、飯塚孝之(高史)……などです」
GO羽鳥「そう考えると、大トトロが藤波辰爾、中トトロが越中詩郎、小トトロは獣神サンダー・ライガーと考えるのが自然だろうな」
P.K.サンジュン「藤波辰爾は大分県出身。となると、凱旋の大舞台は福岡になります。博多スターレーンという定番の会場もありますが、やはり福岡ドームのメインを張りたいと思っていたはず」
GO羽鳥「さらには、サツキとメイは「5月のメイン」というふうにも読める! 前述の通り、5月は『レスリングどんたく』を意味することを鑑みると……」
P.K.サンジュン「『トトロ』は、藤波辰爾が『レスリングどんたく』でメインを張るために、ドラゴンボンバーズのメンバーが一丸となって支えるという話! 宮崎駿監督が我々に伝えたかったのは……」
GO羽鳥・P.K.サンジュン「福岡を舞台にしたドラゴンボンバーズの闘いだ!」
──でも、『となりのトトロ』って1988年公開ですよね?
GO羽鳥「えっ」
P.K.サンジュン「えっ」
──えっ
GO羽鳥・P.K.サンジュン「えっ」
GO羽鳥「いや……そうか! そういうことか!!」
──えっ?
・これまでの宮崎駿作品との違い
GO羽鳥「おかしいとは思っていたんだ。これまで、マニアックな海外のプロレスを表現し続けてきた宮崎駿監督が、突然、90年代の新日を描くなんて……」
P.K.サンジュン「言われてみればそうですね。『天空の城ラピュタ』にしても『ルパン三世カリオストロの城』にしても、古いメキシコやサモアのプロレスの内容でした」
GO羽鳥「だが、公開されたのが1988年というなら話は別だ」
──と言うと?
P.K.サンジュン「1988年はドラゴンボンバーズもレスリングどんたくも産まれる前です。そんな時代にこの作品が公開されたということは……」
GO羽鳥・P.K.サンジュン「『となりのトトロ』は未来を予言していた!」
GO羽鳥・P.K.サンジュン「宮崎駿監督は未来人DA!」
──な……なんだってぇーーーーー! 中トトロが越中詩郎というだけでも衝撃の内容なのに、まさか、そんな数々の暗号が未来を予言しており、さらには宮崎駿監督が未来人だったとは……衝撃である。
しかしながら、その共通点の多さに説得力がなくもないような気がしないでもない。次々と明らかになっていくジブリ作品に隠された謎。信じるか信じないかはあなた次第だ。
イラスト・執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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