毎日似たようなことを繰り返す日々が続くと、どうしてもマンネリになってしまう。そんな現実を打破するべく、旅行に出かける人も多いのではないだろうか。筆者は自分の世界を広げることも兼ね、毎年2~3週間ほど海外を旅行している。

そして今春は中欧クロアチアとスロベニア、イタリアの南に位置する島国マルタ共和国へ飛んだ。前回のクロアチアに続き、今回は絶景の湖や『インディ・ジョーンズ』を彷彿(ほうふつ)とさせる鍾乳洞群など、魅力がいっぱい詰まったスロベニアを紹介したいと思う。

・スロベニアってどこにあるの!?

スロベニアと言うと、「それってバルト三国?」と思う人もいるかもだが、それは大きな勘違い。スロベニアは少ないながらもアドリア海に面していて、クロアチアとオーストリアに挟まれた小さな国だ。

マイナー観光地と思われがちだが、筆者はスペイン旅行で仲良くなった米女性に「スロベニアが素晴らしかった」という話を聞いたことがきっかけで、「クロアチアに行くから隣国のスロベニアにも足を延ばしてみよう!」と旅行プランに投入した。ちなみにバルト三国はエストニア、ラトビア、リトアニアである。

・溜息ものの美しさを誇るブレッド湖

まず紹介したいのは、「スロベニアといえばここ!」と言われるほどヨーロッパで有名なブレッド湖だ。首都リュブリャナから、バスに揺られること約1時間20分。ユリアンアルプスを望める湖は、まさに絵のような美しさを誇る絶景スポットとして知られている。

濃いエメラルドグリーン色の水をたたえたブレッド湖には、雪を残したユリアンアルプスの山々が映し出され、バロック建築の教会が湖に浮かぶ景観はまさに溜息もの! 雄大な自然を前にすると、心が清められるようだった。

・シュコツィヤン鍾乳洞が圧巻!


そしてブレッド湖に並び、スロベニアで見逃せないのが鍾乳洞である。同国にはポストイナとシュコツィヤンという鍾乳洞群が有名なのだが、筆者は45メートルの渓谷が圧巻の後者へ行くことに。

残念ながら、シュコツィヤンは鍾乳洞の撮影が禁止されてるため写真はないが、まるで『インディ・ジョーンズ』の世界そのものだった。バベルの塔のような形を成した巨大鍾乳石や、45メートルの渓谷を下に眺めながら渡る橋も迫力満点で、筆者はどうにも沸き上がる興奮を抑え切れなかった。

仏作家ジュール・ヴェルヌの小説『地底旅行』を映像化するなら、シュコツィヤン鍾乳洞をロケ地にすればピッタリではないかと思う。

・小さいけどスロベニアは魅力的な国!

また、竜の橋で有名なリュブリャナは、一国の首都にしてはかなり小さいが本当に可愛らしい町。リュブリャニツァ川の両側に立ち並ぶお洒落なレストランやカフェは、絶対に女子のハートをくすぐるはずだ。

スロベニアはイタリアやフランスのような観光大国ではないが、本当に自然が美しくて食べ物も美味しい。そしてなんといっても、クロアチアと同じく人がフレンドリーでメチャクチャ親切だった。

・中欧をお勧めする理由

ヨーロッパといえば、やはりイタリアやフランス、スペインといった国が人気だが、筆者はクロアチアとスロベニアに行って中欧の魅力に取りつかれてしまった。なにしろ、超メジャーな国ではないため観光客でゴッタ返しておらず、のんびりと観光できるのが最高なのである。

イタリアを旅行した時は、ちょうどローマ法王の戴冠式が行われて世界中からキリスト教徒が集まっていたため、とにかくどこへ行っても「人! 人! 人!」の嵐。最後には辟易(へきえき)気味になっていた。

だが、クロアチアやスロベニアでは観光地へ行っても長打の列で数時間を費やすこともなし。しかも物価も安かった。首都にある鉄道駅や長距離バスターミナルも小さく、分かりやすくて迷子になることもないし、妙なストレスを感じずに国の魅力を満喫できる点は大きいと思う。

「しばらくイタリアとスペインは行かなくてもいいかな~」と思うが、クロアチアとスロベニアには「出来れば早く戻りたいな」という気持ちに駆られてしまう筆者なのであった。

Report:Nekolas
Photo:Rocketnews24.

▼筆者の写真ではブレッド湖の美しさが伝わり切らないのが歯がゆい……

▼スロヴェニアの伝統料理ゴラーシュが絶品だった!

▼シュコツィヤン鍾乳洞の出口

▼鍾乳洞に流れるレカ川周辺をトレッキングできるぞ!

▼本当に『インディ・ジョーンズ』の世界に紛れ込んだかのようだった!

▼首都リュブリャナのシンボルは竜

▼地元の缶ビールのデザインも竜が施されているぞ

▼首都リュブリャナの長距離バスターミナルが小さくて分かりやすい!