単なるプレイ中の反則にとどまらず、いまや社会問題にまで発展した日大アメフト部による、いわゆる悪質タックル問題。やってしまったことは許されるわけではないが、宮川選手の全てをさらけ出した記者会見に胸を打たれた人は多いことだろう。

その一方で、日大には非難の声が集中しているが、2018年5月23日に行われた「内田前監督と井上コーチの記者会見」を受けて、被害者選手の父が宮川選手の救済に乗り出した。被害者選手の父が「お願いしたいこと」とは果たして──。

・監督コーチの記者会見を受けて

既に公表されていることなので実名でお伝えするが、被害者選手の父は現大阪市議会議員「奥野康俊(おくの やすとし)」氏である。「内田監督と井上コーチの記者会見」を見た奥野氏は翌日24日、自身のFacebookに以下のように投稿している。一部を抜粋してご覧いただこう。


「前監督は一切の関与を否定。これでは宮川君が、可哀想でなりません。酷すぎます。親の立場で我が息子と重ねると宮川君は、加害者ではありますが、指導者2人に対して、体の震えが止まりません」

「私は、この事件に息子と、アメフト、アメフトを愛する両大学の子どもたちの為、日本のスポーツ界の信頼回復の為全てを捧げる所存です。すでに、市議会維新代表にも伝えておりますが、私の記者会見前に決断していたことですが、任期満了を持って大阪市議会議員にピリオドをうち、次の選挙では立候補いたしません」


記者会見を見た奥野氏は、やはり多くの人が感じたように「ヒドすぎる」と感じているようで、今後はアメフトを含むスポーツ界の信頼回復に努めるという。また、次回の選挙には立候補しないというから、政治家としてこの問題に取り組むわけではないようだ。

・お願いの内容

そして、肝心のお願いというのは以下の通りである。


「前内田監督が悪質なタックルシーンを試合中見てなかったと会見で述べられました。試合中のビデオ、動画、写真を撮っていた観客の皆さん、前内田監督が見ているシーン、顔の向きがわかるシーンなんでも結構です。そのデータを頂きたいのですがよろしくお願いします」

「これでは、宮川くんが可哀そうすぎます。被害届、告訴も含めて内田前監督、井上コーチの2人だけの名前では受理できないと警察から回答を頂いております。そこで、宮川君の減刑、と内田前監督、井上コーチに対する厳重処分の嘆願書も出そうと思います」


この件は既に警察に被害届が出されているが、その中にはやはり宮川選手が含まれてしまうという。そこで宮川選手の減刑を嘆願するため、内田前監督の証言が事実なのかを確かめるべく、試合中のVTRを求めているのだ。

潔い記者会見を開いた宮川選手も立派ならば、息子に怪我を負わせた宮川選手が憎いハズであろう奥野氏もまた立派ではなかろうか。もし、該当するデータをお持ちで協力したいという人がいたら、ぜひ奥野氏のFacebookまで連絡して欲しい。

奥野氏は「最後になりましたが、息子は大丈夫です。たくさんの激励のメールありがとうございます」と結んでいる。

参照元:Facebook
執筆:P.K.サンジュン

▼こちらがFacebookの投稿。