埼玉県の北のはずれにある鴻巣市。県外の方のために説明しておくと、「こうのす」と読むこの無名の町は埼玉県民の間ではそこそこ有名な場所。高い知名度の理由、それは鴻巣駅から30分ほど歩いたところにある運転免許センターである。

試験を受けたり、やらかしちゃった人が講習を受けたりと何かと足を運ばなくてはいけないのだ。

「明日鴻巣だわ、ダリぃ~」「なんであんな遠いところにあんだよクソが」というボヤきは埼玉県民なら一度は耳にしたことがあるはずだ。

というわけで私も「免許更新ダリぃ~」と鴻巣を訪れたわけだが、午後の受付開始の2時間前に到着してしまいさらにダルい状況に陥っていた。この町って免許以外にマジでなんもないんすかね!?

・おまわりさんに聞いてみる

どこか牧歌的な雰囲気が流れる何もない町鴻巣。駅の改札前に平和すぎて気が狂いそうなほどヒマそうなおまわりさんがいたので「遊びに来たんすけどなんかないすか?」と聞いてみたところ……

う~ん遊びねぇ、ないよ! ない! ないですよね〇〇さん?」と窓の外を眺めていた別のポリスも参戦。

う~ん、ないね。しいていうなら今ポピーが綺麗だけど」とポリスが指さしたポスター?(落書き)には、おばあちゃんたちがわらわらと群がっていた。

でも男一人でポピーねえ。しかもド平日の真っ昼間だし。ロケットニュースのライターとはいえこれでも社会人。ちょっと気が向かないなあ。

・おばあちゃんにも聞いてみる

とりあえず群がっているおばあちゃんたちにも話を聞いてみることにしよう。お姉さんたちもポピー見に行くんですかあ~?

「そーなのよ! でもバスの場所が分からないのよねえ。やるんならもっとちゃんとやらないとダメよねえ! お兄さん場所分かる? 連れて行ってよ!」

たしかに不親切な張り紙であるので仕方ない、連れて行ってあげることにしよう。おばあちゃん10人ほどをバックにいざバス停へ! お礼でアメちゃんとかもらえるのかな!?


・マダムですし詰めのバスでポピー園へ!

バス停の前にはおじいちゃんも加わった軍団がすでに押し寄せていた。その数ざっと50人。しかも到着したバスは近年まれにみるコンパクトさでこじんまりとしちゃっている。

こんなバスに全員入ったら誰かぶっ倒れるんじゃないだろうか。年齢層的にもシャレにならない気がするが……。

「ねえ運転手さんなんでドア開けてくれないのー!?」とマダムが叫ぶ。「ちょっとお腹が痛いのでトイレに行ってきます…!」という運転手さんに対し、「早く戻ってきなさいよ~!」と檄が飛ぶ。なんだか格安パックツアーに参加しているみたいだ。

バスの中も当然、不平不満の嵐。私もまさか全員が乗るわけないだろうと思っていたが、おばあちゃんたちの「まだ乗れるわよね? え、乗れるわよね?」精神でどんどんとすし詰めに。奥からは「もう詰められないわよ!」という叱咤(しった)が聞こえる。

急カーブのときなんかもうジェットコースター状態。「キャー!」とか「クカカカ」など聞いたことのないリアクションも。そんなこんなでポピー園に着いた頃には身も心もクタクタだったわけだが……


。 ❁ *❀ 目の前には一面に広がるポピー畑! ❀* ❁ 。

ピヨピヨと小鳥のさえずりが響き、トンネルを抜けた谷底にある桃源郷のよう。綺麗すぎて死んだ後の世界みたいだ。屋台で食べたもつ煮とマグロの唐揚げもウマかった! おまわりさんありがとう、鴻巣に来てよかったよ\(^O^)/

参考リンク:第8回こうのす花まつり
Report : 國友公司
Photo : Rocketnews24.

▼ヤクルトのお姉さんもポピー園に行くのかな

▼もつも唐揚げも柔らかい!

▼運転免許の講習はおかげで眠かった

▼お祭りは終わったけどポピーはまだ見られるぞ!