ご存知の通り、世間はゴールデンウィーク真っ只中だ。誰もが楽しそうに休暇を満喫している。やれやれ……。まったく、溜め息をつきたくもなるさ。道行く人々の笑顔とは裏腹に、私(あひるねこ)の心にはぽっかりと穴が空いていた。

この心の空洞を埋めるには一体どうしたらいい? 何があれば、何をすれば満たされる? 終わりの見えない自問自答を繰り返した結果、私はちくわにカニカマを詰めてみることにしたのである。

・ちくわ + カニカマ

ちくわもカニカマも、コンビニに行けば簡単に揃う。大体同じくらいの長さだし、今にもカニカマがちくわの穴にぴったりとフィットしそうな気配だ。この2つなら、私を虚無の海から救ってくれるのではないか? そんな予感がした。

・カニカマを差し込む

私はカニカマを持って、ゆっくりちくわの穴へと近付けていく。ちくわの宇宙を少しずつ満たしてゆくカニカマの姿は、どこか官能的でさえあった。そうだ、ゆっくり、ゆっくり。しかし……。


途中で止まった。


実は入れる前からまあまあ分かっていたのだが、カニカマのサイズが大きすぎたようだ。まったくスムーズに入らないのである。ご想像の通り、この時の悲しみはとても筆舌に尽くしがたいものだった。神よ、未来永劫、私の心は救われることはないのか? そして、この記事はどう収拾をつければいいのか?

・とにかく詰め込め

とても耐えがたいし、カニカマももったいない。というわけで、ちくわにカニカマを強引に詰め込んでしまうことにした。見た目とかもう関係ないからね。食えりゃいいんだよ。

ただ、物事とは意外とどうにかなるもので、その結果「ちくわの穴をカニカマで埋めたナニカ」が見事に完成。割と当初の予定通りになって逆にびっくりである。本当はここから焼いたりするといいのかもしれないが、面倒な人はそのままでも十分だろう。

・想像を超えてくる

さあ、それでは食べてみるぞ。ちくわにカニカマを詰めるなんて、絶対ウマいに決まっている。私は3等分に切ったちくわを爪楊枝で刺し、口へと運んだ。すると……


ああ、そういうことか。


ただのちくわやん。


そう、それは思ったよりもちくわだった。カニの風味は一体どこへ消えたのか? ちくわの主張があまりにも強すぎる。ただまあ、よく考えればどっちも魚肉だしな。魚肉と魚肉を足し算したら、そら魚肉ですわ。これは初めから分かりきっていたことなのかもしれない。

・ある種の発明

だが、ちくわの穴にギッシリとカニカマが入ったことで、ちくわ特有のスカスカ感が消えたことは紛れもない事実。食感の違う2つの魚肉の出会いにより、かつて味わったことのない絶妙なハーモニーが誕生したのである。ウマいかマズいか聞かれたら、これは間違いなくウマい。

・心の救済

同時に、私は自身の心の空洞が、静かにゆっくりと埋まりつつあることを実感した。ちくわの穴がカニカマによって満たされることで、私の心の穴もまた、同様に満たされていったのである……。諸君もいろいろと悩みを抱えているだろうが、どうかこれだけは覚えておいてくれ。

──ちくわにカニカマを詰めると、心の空洞を埋められる

Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.