タバコをやめたい。食生活を変えたい。もっと運動するようにしたい……。そう思いながらも、プカプカとタバコを吸い続け、夜中にズルズルとラーメンをすすり、パソコンの前に座りっぱなしの生活をしている人はどれだけいるのだろうか。
まさに私がその1人で、30分ほど前に夜中のカップラーメンを味わい、今ちょうど食後の一服をしてきたところだ。願望としては、現在の体重(約80キロ)より20キロ痩せて、禁煙もしたいと思っているのだが……。
それはさておき、今回はそんな私が、お医者さんから教えてもらった「行動変容ステージモデル」について紹介したい。それを知っているだけで、生活習慣を変えるきっかけになる……かもしれないぞ。
行動変容ステージモデルについて教えてくれたのは、いつまでたっても禁煙もダイエットも出来ないクズ野郎の私に、いつも親身になって相談に乗ってくれているお茶の水循環器内科の院長・五十嵐健祐先生だ。
・行動変容ステージモデルとは?
では、行動変容ステージモデルとは何かという話になるのだが、超ざっくり言うと「人が行動を変える5つのステップ」と言ったところだろうか。禁煙を例にとれば、タバコをやめる気持ちがサラサラない人が、「禁煙して6カ月以上経ったわ」となるまでの過程を5段階に分けてみるとこうですよ〜といった感じである。
その5段階のステップは、以下の通りだ。
【行動変容ステージモデルの5つのステップ】
1. 無関心期 → 6カ月以内に行動を変えようと思ってない
2. 関心期 → 6カ月以内に行動を変えようと思っている
3. 準備期 → 1カ月以内に行動を変えようと思っている
4. 実行期 → 行動を変えて6カ月未満である
5. 維持期 → 行動を変えて6カ月以上である
もちろん、行動(生活習慣)を変える全ての人が5つのステージを段階的に進んでいくわけではないだろう。中には「今まで禁煙なんて一切考えてなかったけど、ある日を境に1本も吸わなくなった」という人もいるわけだから。──と思いつつも、見ているだけで「自分はどこかな?」と考えてみたくなる。
・自己分析&医師に相談してみた
私の状態を自分で分析してみると、禁煙は準備期で、ダイエットは実行期……だろう。いや、正直に言うとダイエットも準備期かもしれない。さすがに関心期ってことはないと思うなあ、と考えているとき! ひらめいたのだ。これはもしかして……「自分は今この段階にいる」と意識したりするだけで、行動を起こすきっかけになるのでは?
そんな気がしたので、先の五十嵐先生に聞いてみると……
先生:「もちろん。きっかけになるでしょうし、自分のステージを知っておくことは大事ですよね」
質問:「たとえ自分が無関心の段階にいるとしても、ですか?」
先生:「はい。すぐに禁煙に繋がらなくても、自分のステージを自覚することが行動の第一歩になりますから」
質問:「それは禁煙に限らず、食事とか運動とか、健康に関わる行動全てですか?」
先生:「ええ、全部ですね。禁煙でも食事でも、特に無関心期の人に対して医者はなかなか介入できないですから。個人でステージを自覚しておくことは、すごく大事になってきますね」
──とのことであった。
・それぞれのステージに合わせた働きかけも
ちなみに行動変容ステージモデルは、厚生労働省が運営するWebサイト『e-ヘルスネット』でも紹介されている。それによれば「行動変容のステージを1つでも先に進むには、その人が今どのステージにいるかを把握し、それぞれのステージに合わせた働きかけが必要になります」とのことだ。
さらに、同サイトでは各段階についての働きかけも記載されているので、参考にしてみてはいかがだろうか。「この通りしていれば生活習慣が必ず変わる」というものではないが、モチベーションの面で役立つ可能性はある。
そして先述の通り、自分のステージを把握していることは重要なようだ。自分のステージが分かっていれば、「1つでも先のステージに進みたい」と思う人だって多いだろうから。少なくとも、私は今そう思っている。
協力:医療法人社団 お茶会お茶の水循環器内科
参考リンク:e-ヘルスネット「行動変容ステージモデル」
Report・イラスト:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.