空港などで見られる「手荷物検査の機械」。荷物の中身をX線で確認、危険物や禁止品がないかどうかを確認するセキュリティチェックである。海外では長距離列車や地下鉄でも実施されており、日本では2015年に新幹線内で焼身自殺事件が起きた際、導入の議論が行われたが、いまだ実現はしていない。

さて、人々の安全を守る手荷物検査でとんでもない事件が起こったという。職員が荷物のチェックをしていたところ “人” の姿が! 人形じゃない、骨や臓器までクッキリ!! 荷物に混じって人間が入り込んでいたのだ。

・手荷物検査のX線に人が!

2018年2月11日、中国広東省の鉄道の駅でのことだ。2月16日の旧正月を目の前に帰省ラッシュのさなか、係員が手荷物のX線検査をしていたところ、とんでもないものが流れてきたのだ! 四つん這いになった人!! 人間が荷物と一緒に流れて来るのを確認したという。

・「貴重品が盗まれるのではないかと心配だった」

即刻、機械を止める係員。中にいたのは一人の女性だった。何なの、ふざけてるの? 彼女の言い分はこう。「貴重品が盗まれるのではないかと心配だった」。肌身離したくない、だったら一緒にX線検査の機械に入ってしまえ、そんな理由だったのだ。

・気持ちはわかる、とてもわかるけど

その気持ち、すごくわかるよ……! 私も中国の交通機関を利用する際、手荷物検査の前後でドサクサに紛れて盗まれたりしないかとヒヤヒヤしたものだ。

その心配は特別なものではない。荷物の出口には乗客が我先にとスタンバイしており、大混雑。人混みにはスリもいるもの。だから不安になって混雑に拍車をかけていく。

でも、だからと言って、一緒に手荷物検査の機械に入っちゃうのはやりすぎである。

・鉄道警察「人体に影響があるからやめて」

手荷物検査で使用されるX線は、医療用のように人体にあてることを前提としてはいない。鉄道警察も「機械のなかは放射線は比較的強く、人体に一定の悪影響を及ぼします。焦って間違いを起こさないでください。冗談では済まないのです」と警告している。

機械のなかに入ってしまうなんて もってのほかだが、女性の気持ちも痛いほどわかる。国際空港のように、荷物の取り違えがないよう一人ずつ進むというのは難しいのか。いや、難しいのが中国。いつものように「因为人太多、没办法(人多すぎだから、仕方がない)」となりそうである。

なお、女性は荷物を受け取って荷物整理をしたあと、スーッと待合室の方に去っていったとのこと。何もなければ良いのだけど……。

参照元:Youku新浪新聞(中国語)
執筆:沢井メグ