見知らぬ街のロードサイドで思わぬ発見をすると、テンションが上がる。郊外型のゲームセンターやあまり見かけない自販機、生鮮食品の直売所など。目につくと思わず立ち寄ってみたくなるが、最近群馬県高崎市で意外すぎる直売所に出くわした。
それは……「プチプチ直売所」だ。いわゆる無人販売なのだが、ここはプチプチを無人販売している! 直売所っていうくらいだから、真後ろに工場があるぞ! もしかして出来たてプチプチなの? 実際に買ったら、結構安い! これはお得!!
・生鮮食品はあるけど
直売所といえば、たまごや野菜の無人販売が思い浮かぶ。田舎の畑の近くにほぼ野ざらしの場所に棚があり、小さな箱に小銭を入れて野菜を持ち帰るアレだ。もしくは、専用自販機にたまごが入っていて、お金を入れて中身を取り出すたまごの直売所。
プチプチの場合はどうなのだろうか? ちなみにプチプチとは、緩衝材(エアキャップ)のことを指す。
・プチプチをどうやって自販機で?
直売所があるのは、高崎市下大島町の川上産業株式会社高崎工場だ。建物の裏手に専用自販機が置いてある。
そもそもプチプチをどうやって自販機に詰め込んだのだろうか? それ用の自販機なんか存在するのか? そんな疑問を抱きながら、自販機を見てみると……。
カプセルトイ用のガチャガチャがある! これは一体!? 購入方法を見てみると、右側のボックスにプチプチが入っていて、そのボックスには南京錠がかかっている。ガチャで開錠番号を購入するらしい。
・1回500円
ということで、開錠番号を購入することに。まずは500円(100円玉×5枚)を投入して、
レバーを回すと……
カプセルが出てきた! このなかに開錠番号が入っているのか、さっそく開けてみよう!
・この1年を振り返ると……
すぐにパカッと開くのかと思ったら、これが開かない。全然開かない! 時刻は17時、すでに日も暮れて空気はかなり冷え込んでいる。すぐに買えるだろうと思って、上着も着ないまま自販機の前に来てしまった。寒い! めっちゃ寒いッ!! 吹き付ける風が氷のように冷たいじゃないか!
さっさと買って帰りたいのに、一向に開く気配がない。これはもう断念した方がいいんじゃないか? そこまでしてプチプチ買う必要も実際ないし、面白そうだから買って帰ろうと思っているだけなのに。カプセルはテープを貼ってある訳でもないのに、どうして開かないんだ!?
もういいか……プチプチがなくても、とりあえず困ることはないし。必要ならホームセンターに寄ればいいだろう……。
もう12月。今年も終わる。振り返るとこの1年、何かやったかな? 何もやってねえなあ。いやむしろ何かやった年なんかあったか? 何もないだろう。ダラダラ今日まで生きてきたよ。どうせ俺なんて、1年を振り返って、「何もやってなかったなあ」と思い続けるだけの人生だ。そんなの40年以上も繰り返している。
今だって、そこまで必要ないプチプチ買おうとして、カプセルさえも開けられない。44歳の12月。何も成果のない2017年を象徴しているようじゃないか。笑ってくれ、俺なんて、その程度の男だ。上着も着ないで、榛名山の吹き下しにさらされているのがお似合いだ……。
と思った瞬間開いた! 開いたーーーッ!! やったぜ、これでプチプチゲットだ!! ヒャッホー、プチプチ欲しかったんだよね~。イエーーーイ!
っつう訳で、無事に開錠番号を手に入れ、指定のボックスの南京錠を開けて、プチプチを取り出す。
思った以上にデカい! これで500円は安いんじゃないの? 何メートル巻きなのかわからないけど、1人暮らしの引っ越しなら、これ1本で十分足りる気がする。別に引っ越す予定なんかないけどね(笑)。
とにかく、もしもプチプチの必要に駆られたら、直売所を利用すると良いだろう。
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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