中国ではよく、水墨画のような風光明媚な観光地を「有山有水(山もあり、川や湖もある)」と表すが、最近ではこれも外せない。「有玻璃橋(ガラスの橋もあるよ!)」──なぜか中国では足元スッケスケのガラスの橋が大・流・行! 定着しつつあるのだ。
そんなガラスの橋をめぐって、ある動画が物議を醸している。「Tourist terrified by new glass walkway that cracks under weight」を見てみると、橋が割れてる!? 観光客が一歩踏み出すごとに、橋がバッキバキ! 一人の体重で割れちゃうなんて、一体どうなってるんだ!?
・歩くごとに割れる橋
この動画が撮影されたのは、河北省邯鄲市に位置する太行山脈にかかったガラスの橋だ。海抜1180mにかかるガラス橋から見下ろす地上は、深淵のかなた。歩くだけでも勇気がいる。
そんな橋を一人の男性が渡り切ろうとした瞬間……「ビキビキッ」という音とともに、橋にヒビが入ったのだ! 転んだ場所にも「ビキッ」、慌てて手をついた部分も「バキッ」。重さに耐えかねて割れてしまったのか!?
これには、男性も「アイヤッ、アイヤッ、アイヤーッ!!」と叫ぶほかなかった。
・真相が明らかに
この動画が公開されると、中国人もビックリ! Weiboのトレンドにあがる勢いで拡散された……のだが、これは事故ではないと判明。なんと観光地サイドの「サービス」だったというのである。
このヒビは特殊効果であるそう。床にはセンサーが仕込まれており、人が渡るとそれを感知して、床にヒビの映像を走らせていたのである。なぁんだ、一種のアトラクションだったのか!
・アリ? ナシ? ネットで議論に
この試みはネットで物議に。「斬新で面白い」という意見がある一方で、「混雑時はパニックの原因になる」「心臓が弱い人が遭遇したら大変なことになりそう」と、慎重にすべきという意見も多く見られる。
たしかに「心臓に悪い」という言葉がピッタリ。まさに「中国のガラスの橋、いつか割れそう」と、思っている心理をうまく突かれた形である。賛否両論ではあるものの、各地にガラスの橋が乱立するなかで、大きな特色を出せたことに間違いない。
それにしても、なぜ中国人はこうもガラスの橋を愛するのか……謎である。
▼こちらがその動画。この過激なエフェクトを、むしろ楽しんでいる人も映し出されている