寒くなるこれからの時期、身も心もホッとするあったかグルメが「おでん」である。味の良さについては言うまでもないが、実はおでんはローカロリー & 高タンパク質な料理。美味しくてダイエット向きだなんて、たった1つの死角も見当たらない。

それはさておき、かねてから私(P.K.サンジュン)は「おでんに対する疑問」を持ち続けていた。単刀直入に言うと「おでんの具に昆布って必要か?」という疑問である。どうだろう? 本当におでんの “具” として、昆布は必要なのだろうか?

・ダシとしては完璧

最初に断わっておくが、私の昆布に対する評価は高い。昆布とかつお節は日本を代表するダシであり、昆布だし風味の鍋も大好きである。昆布のおかげで、どれだけ日本料理が豊かになったかわからない。まさに昆布様々だ。

……が、それはあくまで “ダシ” としての評価であり、食材や具として「そのまま食べる昆布」は評価していない……というか苦手だ。すでに “偉大な裏方” として絶対的な地位を築いている昆布が、表舞台までに色気を出してきている感じがとてもイヤなのだ。

中でも “おもて昆布” が特に鼻につくのがおでんであり、なぜ当然のように具として陣取っているのか意味がわからない。しつこいようだがダシとしては十分に認めている。昆布無くしておでんは成り立たない。だがダシとしての役目を終えたなら、そっと舞台そでに身を隠すべき、つまり潔く捨てられるべきなのだ。

「捨てるのは勿体ない」と言う意見もあるだろう。しかし思い返してもみて欲しい。関東風のおでんは一般的にかつお節でダシを取っているとされている。そのかつお節を食べる人がいるだろうか? 当然のように捨てられるかつお節の気持ちはどうなるのか? 昆布だけがしゃしゃりすぎではなかろうか?

さらに言えば、結ばれたりなんかしちゃって、おめかししているのも気分が悪い。いやいや、あなたは裏方の人ですから! タレントさんじゃありませんから!! 妙にお洒落してテレビに出てくる芸能人の親族、もしくは権力だけはある目立ちたがり屋の社長と同じニオイを感じずにはいられない。

逆に言えば、おでんの昆布が結ばれているのは「そのままだとあまりにもショボいから」とも言えるハズだ。おめかしは「やべえ……このままじゃ戦えない」と感じた昆布が取った苦肉の策なのであろう。だが昆布よ……そういう問題ではないのだ

個人的には「塩昆布」や「昆布の佃煮」も苦手だが、それについては否定しない。なぜなら彼らはダシとして生きる道を初めから捨て、具一本で勝負しているからだ。あくまでおでんにおける「ダシと具の二刀流」が気に食わないのである。今まで疑問に感じなかった人も、どうか考えてみて欲しい。おでんの具として本当に昆布は必要だろうか?

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼うーむ、マジでおでんに昆布は必要なのだろうか?