おでん、餃子、お好み焼き……。『ご飯のおかずになる、ならない論争』は果てしなく続くが、私(P.K.サンジュン)はかねてから「なぜあの料理が論争に加わらないのか?」と疑問に思っていた。その料理とはズバリ、鶏のから揚げである。

から揚げ自体は大好物だし、もちろん白米も大好きだ。だがどう考えても「から揚げがご飯のおかずになる」とは到底思えない。周囲の人のリアクションを見る限り、どうやら私が少数派のようだが、今回は「から揚げはご飯のおかずにならない派」を代表して意見を述べさせていただきたいと思う。

・ご飯のおかずになる、ならない論争

どう説明すればいいのか非常に迷うが、まずはよく『ご飯のおかずになる、ならない論争』に登場する料理から、私の見解をお伝えしたい。

・おでん

もちろんならない。おでん自体は好きだが、大人になってからおでんだけでフィニッシュすることが多くなった。逆になるという人は、おでんのどの具が白米に合うのか教えて欲しいくらい理解できない。

・餃子

ならない。ちまたの中華料理店に「餃子定食」はよくあるが、過去に1度も注文したことはない。そもそも皮が炭水化物なので、ご飯と合うハズがないと固く信じている。ギリ、酢醤油がご飯と合うのはわかる

・お好み焼き

「関西の文化でしょ?」という感じで、特にコメントなし。ただしソースがある分、おでんよりは合う気がする

・コロッケやとんかつ

ならない。冷静に考えて、ほぼ味のない豚肉やじゃがいもが、白米と合うハズがない。こちらもご飯と合うのはソースであり、コロッケやとんかつなどの揚げ物ではない。

・刺身

ならない。なるのはあくまでしょう油である。しかも、アツアツのご飯に刺身をのせるとどうしても生臭さが出てしまう。むしろご刺身はご飯と食べない方が絶対にウマい。ただし、寿司は大好き。

・ハンバーグ

なる。正確にはデミグラスソースだが、これはガッツリご飯が進む。揚げ物と違い、肉とデミグラスソースが一体化しているのも最高。ある意味で王道。

・すき焼き

なる。濃いめの味付けと汁気の多さは、まさにご飯のお供。餃子やから揚げ、揚げ物がご飯のお供になるという人は、すき焼き様との違いをよく考えて欲しい。

・チンジャオロース、エビチリ、麻婆豆腐などの中華料理

これもバッチリなる。すき焼きに匹敵するご飯のベストパートナーだ。


以上を踏まえると、何となく私の言いたいことがおわかりいただけないだろうか? ご飯に合うのは「味が濃くてジューシーな料理」なのだ。から揚げは一応ジューシーだが、中身がジューシー系なので、ご飯と合う “外ジューシー” の条件を満たしていない。

これは私の育った環境が大きいと思うが、幼い頃から我が家の食卓には、おかずが大皿で5~6品は並んでいた。まずは好きなだけおかずを食べて、〆に「お母さーん、ごはーん」と言うと、白米とみそ汁が出てくるスタイルだったのだ。

なので、ハンバーグやチンジャオロースなどの「完璧に白米と合う料理」でない日は、そもそも白米の登場は最後の最後だった。ちなみにご飯自体は、みそ汁か塩辛などの味の濃ィィイイイ料理と食べるのが普通。なので人よりも『ご飯のおかずになる、ならない論争』のハードルは高いのかもしれない。

……とはいえ、多数派だからと言って「から揚げが本当にご飯と合う」とは限らない。本当の本当に超冷静に考えて、から揚げはご飯と合うだろうか? ハンバーグと比べても? 麻婆豆腐と比べても? から揚げはウマいが、ご飯のおかずではないと思うのだ。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼マジで冷静に考えて、から揚げって白米に合うかな~?