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「YES」のキャッチコピーでおなじみ高須クリニック。その院長である高須克弥先生といえば、歯に衣着せぬ発言をする美容整形外科医として人気だが、絶対に忘れてはいけない功績を残したことでも有名だ。特に男性にとっては、感謝してもしきれない功績と言えるだろう。

それは……何人ものカセイ人に手術を施し、「男の自信」を取り戻させたということ。いや、シンセイ人やカントン人もいただろうが、とにかく、デリケートな部分の手術ブームを作った張本人だということである。ここでは、そんなデリケートな話をしたい。

・宇宙人ではないカセイ人

もうすでにお気づきの方も多いだろうが、これから紹介するのは宇宙人にまつわる話ではない。「宇宙人が日本人男性の姿をして地球に紛れ込んでいる」的なSF展開を期待していた人には申し訳ないのだが、全く違う。

宇宙人の話ではなく、カセイ人の話なのだ。

じゃあ、「カセイ人は何なのか?」と気になる読者もいるかと思うので、簡単に説明しよう。カセイとは、おでんの具でいえば餅巾着(もちきんちゃく)のようなもの。

いざ食べるとなると中身のお餅がペロ〜ンと外に出てくるものの、普段は巾着にくるまれているというトリッキーな構造をしているのが特徴だ。

ヤルときはヤルやつなのだが、油揚げにくるまれた餅巾着と同じく、食べられるまでは分厚い寝袋の中で眠っている。そして、そんな餅巾着を大切に抱えている男性こそが、カセイ人と思って差し支えないだろう。

まるでロシアのマトリョーシカを思わせる構造ゆえに、餅巾着を持つ男性は人気者になりそうなものだが残念ながらそうではない。「餅巾着を普通のお餅にチェンジしたい」と思っている男性が多いのである。

そんな男性の願いをいくつも叶えてきたのが先述の高須医院長なのだがそれはいい。今回の私が伝えたいのはそこではなく、カセイ人にまつわる1つの噂のことだ。きっと、聞いたことがある人だっているだろう。

「日本人男性の7割はカセイ人」

とかいうアレ。都市伝説なのか噂なのか知らないが、あの説は一体何なのだろうか? 真実なのか? ただ……! 真実だと信じるには、個人的に引っかかることがいくつかある。探偵なら、「匂うな」とか「何かクサイ」とか言い出すであろう不可解なポイント。例えば……

疑問その1:どうやって調べたのか?

「日本人男性の◯割はカセイ人」というようなデータを作成できそうな施設を考えるとパッと浮かぶのが、高須クリニックのような病院。そこなら、患者さんのうち何人がカセイという統計を取ることが可能かもしれない……が!

そういうクリニックを訪れる人は、カセイであることに悩んでいるわけで、日本人男性の何パーセントがカセイかということは分からないだろう。じゃあどうやって調べたのかというと……分からない! どうやって調べたんだ? 国勢調査か?

疑問その2:周囲でカセイを認める人は2割くらい

これはあくまでも私の個人的な体感だが、私の周囲でカセイ人だと認める人は2〜3割程度なのである。とても少ない。私が「失礼ですが、カセイ人でしょうか?」と聞くと、7〜8割の人は「YES」ではなく「NO」と言い、続けて……

「I AM A ZURUMUKE-GUY(アイ アム ア ズルムケガイ)」

と返答するのだ。当然ながら、2〜3割では7割という数値に全く合致しない。

……ということはだ。ここで考えられるのは3つ。

・3つの仮説

「日本人男性の7割はカセイ人」という噂がガセなのか、それとも私の聞いた何人かが見栄を張ってウソをついているか、もしくは、私がもっとたくさんの男性に聞けば「俺はカセイ人やで」という人が続出するのか。以上の3つのうち、どれかが真実なようだ。

それをガチで検証しようとすると、現在の日本の法律では訴えられかねないため、「3つの仮説が考えられる」と提唱する段階でやめておきたい。謎は謎のままにしておく方がいいこともあるのだから。

ただ1つ確かなのは……「カセイ人?」と質問されたときに、大っぴらに「YES」と言える人は誰よりも内面をさらけ出しているということ。すなわち、心はズル剥け(ZURUMUKE)だということだ。それは間違いない。YES!

執筆・イラスト:和才雄一郎
Photo:Wikimedia Commons.