タバコを吸っている人の中で、いつか肺がんで死ぬことを覚悟している人はどれほどいるのだろう? 恐らく、ほとんどの人は「そういうリスクがある」と頭では分かっていても、心の中で重く受け止めてはいないように思う。

だが、喫煙者の現実はご存じの通り。説明するまでもないだろうが、タバコを吸っている限り医者から「肺がんです」と告知される可能性は非喫煙者より高い。もしくは、「レントゲンに白い影が映ってます」というパターンかもしれない。15年ほどタバコを吸い続けてきた私(35歳)と同じように……

全てのきっかけは、私が喉の不調で内科を受診したことだった。そのときの私の症状を詳しく言うと、喉が痛く、咳と痰が止まらないという感じ。特に喉の痛みは酷く、気管全体が焼け切れる寸前のブレーキパッドみたいになっている実感があった。

本来なら「耳鼻科かな?」という症状だが、その日はあいにくの日曜日。受け付けをしている耳鼻科が見つからなかったので、日曜日でも診察している内科(お茶ノ水内科)に駆け込んだのである。

・内科での診察

待合室に入り、問診票やら何やらを記入して待っていたらあっという間に自分の順番。先生とご対面して自分の症状を報告すると、「ではレントゲンを撮りましょう」という流れになり、パシャーン・パシャーン。胸部と顔あたりのレントゲン写真を2枚撮ってもらった。

すると……私の症状とレントゲン写真の所見から、喉が痛い原因は「副鼻腔炎(ちくのう症)」であるとの診断が。どうやら、顔あたりのレントゲン写真を見ると「副鼻腔」と呼ばれる部位に膿がバンバン溜まっていたらしい。

だがしかし! そんなことは、どうだっていい。どうだっていいことは無いのだが、胸のレントゲンが私にもたらしたショックに比べると屁みたいなものであった。というのも、胸部レントゲンには……

「白い影が映っている」

というのだから。その言葉に「ふぁっ!」と反応してしまった私は、「え!? 大丈夫なんですか?」と反射的に聞いてしまった。すると先生は「いやいや、ビビらせて申し訳ないんだけどね」と言いながら、次のように説明してくれたのである。

先生:「和才さんのように痰が止まらないときは、レントゲンに白い影が映っちゃうことがあるんですよ」

私:「でも、肺ガンの可能性もあるってことですか?」

先生:「まあ、ゼロとは言い切れないけど……。タバコも吸ってるしね。とにかく、CTを受ければ一発で分かるよ」

——という流れで、CT検査を受けるとこになったのだ。

なお、CT検査の機械がその病院にないため、後日別の医療機関で受けることに。検査自体は5分くらいで終了して、気になる結果は……!

結果は……!!

結果は……!!!!

「活動性病変を認めません」。つまり、セーフ! 繰り返す、セーフ!! イエーーーーーーーーーーーーーーース!!!!!

・今回わかったこと

冷静になってまとめると、今回の経験で分かったことは主に2つある。1つは、レントゲンに白い影が映ったからといって、肺がんであるとは限らないということ。私のように、痰が原因の場合だってある。

ドラマなどでは、医者が「白い影」といったらそれはもう肺がんと相場が決まっているが、現実は必ずしもそうではないようだ。

そしてもう1つは、タバコのヤバさ。というのも、先生が「CTを受けてみよっか」となったのは、私がタバコを吸っていることも大きな一因だったそうだから。つまり、タバコを吸っている限り、35歳の年齢でも「肺がんである可能性はある」ということなのだ。

当たり前と言えば当たり前だが、「その可能性がある」と言われた時の衝撃たるや……私は思わず持っていたタバコを全部捨ててしまった。これからもう二度とタバコは……たぶん……!

とにかく、上の2つは誰にとっても覚えておいて損はないはず。特に喫煙者は心に刻んでくれ。

協力・画像提供:お茶ノ水内科
執筆:和才雄一郎

▼これが胸部のレントゲン写真。「白い影」が見えるとのこと

▼顔のレントゲンがこれ。素人目には分からないが副鼻腔炎らしいぞ。ちなみに、喉の痛み等の症状は、処方された薬を飲んでいたら全く気にならなくなった。全快!