スパ! みんなは神様を信じているか? なんでも日本は八百万もの神様がいるんだってな。あとは、つい先日、アフリカ西部はガーナのアシャンティ族が崇拝する神様「オニャンコポン」の記事も公開されていたっけな。なんだなんだ? 神ブームか?

ということで今回は、オレたちマサイ族が信仰する神様のことを、オレの手描きイラスト付きで紹介しよう。名前はエンカイ(enkai)、マサイが崇める天空神だ。

・天空神エンカイ

奇しくもオニャンコポン様も天空神だったが、エンガイ様も天空神。オレたちマサイ族はエンカイ(enkai)と呼んでいるが、キクユ族はエンカイ様のことを「ヌガイ(Ngai)」と呼んでいる。ほか、エンガイ(Engai)と呼ぶ人たちもいるそうな。

それぞれビミョーにストーリーが違ったりするが、同じような神様だ。どんな神様なのかというと……そうだな、エンカイ様の物語を、めちゃくちゃ簡単に説明しようか。

・神と牛

そもそもエンカイ様は地球にいた。世界中の牛と一緒に、仲良く地球に住んでいた……のだが、とんでもない大災害が起きたんで、牛らを引き連れて空に逃げた。雲がたくさんある空に、牛と一緒に避難したんだ。

雲の上は、フワフワしてて気持ち良い。でも、そこに草はない。牛が食べるべき草がない!! ということでエンカイ様は……って、このまま説明していくと100ページくらい必要になるんで、エンカイ様ストーリーはこのへんにしとくわ。

ともかくエンカイ様は、牛が好き。そして、その神様の牛を世話するために、神様はオレたちマサイ族を作り上げた。牛の世話係というか、神様に仕える仕事を生まれながらに与えられた民族、それがオレたちマサイ族なんだ。よく牛と一緒にいるだろ?

エンカイ様は、今でも天空に住んでいる。キリマンジャロ山にいるって話もあるけれど、ケニア最高峰のケニア山(標高5199m)に住んでいるって説が濃厚だ。

エンカイ様がゴキゲンな時は、黒い雲が空を覆う。そして、恵みの雨を大地にもたらす。エンカイ様が不機嫌な時は、白い雲が空に浮かび、太陽に照らされた大地は乾き続ける。もしも空に雲がない時は、どっかの山で休暇をとっている……って噂だぜ。

オレたちがエンカイ様に祈りを捧げるのは1日2回。朝、起きてからと、夜、寝る前だ。日本のみんなも、よく祈っているんだろ? なんだっけ? えっと、イタダキマス、ゴチソウサマ、か。良いことだ。なにごとにも感謝だぜ。では、オレセリ〜!

Report:ルカ(マサイ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

▼ルカ画伯によるエンカイ様イラスト入稿の瞬間

▼ちなみにこちらは、過去にルカ画伯が描いたマサイのお化け「オレレティムグモ
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