東京に住む人は、名古屋について意外なほど知らない。せいぜい名物に味噌煮込みうどんや手羽先、小倉トーストなどがあり、観光スポットは名古屋城か最近できたレゴランド。そのほかの知識はほとんど無いに等しいのではないだろうか。

なので、名古屋に大須商店街があることを知らない人だっているだろう。この商店街は、地元の人をして「カオス」と言わしめる、何でもアリのスポット。ここで食べる「あんどりゅ。」のかき氷がまた、侮れない……。

・1000軒以上

大須商店街とは、名古屋市中区大須2〜3丁目付近のことを指す。大須観音から西、若宮大通・伏見通・大須通・南大津通に囲まれた区域のことで、このエリアに1000軒以上の店舗や施設があるそうだ。

実際に行ってみると、どこの通りにも活気がある。食べ歩きのお店が多く、平日昼間でも結構にぎわっている。ひやかし程度の気持ちで洋服店なんかに入ってはいけない。買う予定でないものを、買う羽目になる可能性があるからだ。

そういう私(佐藤)、「ちょっと暇そうだな」と思ったお店にフラリと立ち寄ったら、やたら押しの強いお店のおばちゃんに遭遇。

・予定外の買い物

まったく買うつもりのなかった風神雷神のプリントTシャツを買う羽目になった。大須舐めてた……。さらには、たまたま入った銭湯では全裸なのに裸に見えないおじさんたちが3人にもいて、とにかくビックリ。大須って濃いなあ~。

そんな濃い大須にあって、涼し気な味覚を提供しているのが、かき氷専門店の「あんどりゅ。」である。

・ビルの名前のクセがスゴイ

大津通り沿いの “合点承知ビル” の階段を下りた地下1階。ビルの名前のクセがスゴイ……。店の造りも特徴的で、階段を下りると右が厨房、左が客席となっている。卓上にある「店長からのお願い」には次のようにある。

・店長からのお願い

「氷の寿命は30秒です! カメラはすぐに撮れるように準備お願いします。友達の分は待たずにすぐに食べて下さい!」

なるほど。たしかに飲食店で料理を前にして、モタモタとスマホをいじっている人をよく見かける。こちらのかき氷はすぐに溶けて崩れてしまうので、出てくる前にカメラを用意しておけということか。

よしわかった。お店の人気ナンバー1の『てらみす』(700円)を注文して、すぐにカメラアプリを起動して待機! いつかき氷が出てきてもいいように構えていると……。

・急ぎ、撮影せよ!

釜飯用の器にてんこ盛りの氷! その上にはホイップクリームが乗っていて、とても美味しそうだ!!

感動に浸っている場合ではない。この間にも氷は少しずつ溶け始めている。急いでスマホを構えて、カメラアプリでカシャカシャ! と立て続けに撮影。

それにしても、ウマそうだ。街の個性が強い大須で、こんなさわやかな見た目のかき氷に出会えるとは思ってもみなかった……。とにかく早く食べないと。いただきま~す!

・じっくり味わっている場合じゃない

食べると、ホイップクリームの甘さとココアパウダーの苦さが相まって、ティラミスのような味が口に広がる。細かく削られた氷は、ひんやりとした冷たさだけを残して、またたく間に口のなかで溶けてなくなってしまった。

この日はあいにくの雨模様。カンカンに日が照った暑い日であれば、さらに美味しく感じたに違いない。暑ければ暑いほど、うまく感じるはず。

味わっている間にも、氷は内部崩壊していってしまう。じっくり味わいたいところだが、溶けてなくなってしまう前に食べ切らないと。

ちなみにここのスプーンはちょっと変わっていて、氷をすくい易い形状をしていた。こんなところにもお店のこだわりが。とにかく氷の寿命はたったの30秒。カメラで撮影をしたら、すぐに食い切るべしッ!!

・今回訪問した店舗の情報

店名 かき氷専門店 あんどりゅ。
住所 愛知県名古屋市中区大須3-30-25 合点承知ビル B1F
営業時間 11:00~20:00
定休日 火曜日

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

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