
初めて行く飲食店の情報を知りたい時、参考になるのがグルメサイト「食べログ」だ。個人が投稿した口コミや写真が豊富であり、情報量で言えば日本最大級だろう。お店の名前で検索すると上位に表示されやすいため、利用したことがある人は多いと思う。
さて、その食べログについて前から思っていたことなのだが、もう単刀直入に言ってしまおう。食べログの口コミの「小生(しょうせい)」率は異常である。口コミでの一人称が「小生」の男は、間違いなく存在する。いや、けっこうな数がいるはずだ。あれは、一体何のつもりなのか?
・「小生」って何だよ
そもそも、「小生」とはどういう意味なのだろう。goo国語辞書によると、「一人称の人代名詞。男性が自分をへりくだっていう語」とのこと。つまり僕、俺、私といった言葉の仲間なのだ。しかし、イメージ的には昔の人が手紙の中で使う古い言葉のように思われる。実際に使っている人なんて見たことがない。
・食べログに多く生息する「小生さん」
にもかかわらず、食べログの口コミには、この「小生」を使っているレビュアーが多い気がするのだ。そして「小生」を使っている人の口コミはもう、クセがすごい。こう思っているのは私(あひるねこ)だけではあるまい。それでは、そんな「小生さん」の特徴をいくつか挙げてみよう。
・「小生さん」の特徴①:店に行くまでが長い
例えば、ある居酒屋の情報が知りたくて「小生さん」の口コミを見ると、すぐに店には辿り着かないから気を付けろ。かなりの確率でその店の近所にある、以前行った別の店のことから書き出すぞ。おそらく、そこには職場の同僚女性(20代・肉食女子)と行っているはずだ。わかった。わかったから早く行け。
・「小生さん」の特徴②:0次回のことも書く
「小生さん」には飲み仲間が多いため、その店舗に行く前にすでに別の店で飲み始めていることがある。「小生さん」はそういった0次回についても気は抜かない。誰が参加し誰が遅れているのかも、我々にしっかり教えてくれるのだ。おそらくレビュアー仲間なのだろう。ペンネーム感満載の名前からもそれは明らか。わかったから早く行け。
・「小生さん」の特徴③:過去に行った店を引き合いに出す
「小生さん」はいろんなお店を食べ歩いており、レビュー数も豊富だ。そのため、あるお店をレビューする際、以前自分がレビューした店を引き合いに出して解説しがちである。『〇〇にある老舗、△△さんを彷彿とさせるスープですな。そろそろ顔を出さないと店主に怒られてしまう』と、さりげない顔広いアピールも光る。
・「小生さん」の特徴④:日記代わりにしている
特徴①で店に行くまでが長いと書いたが、そんなのはまだ序の口。気合いの入った「小生さん」は、起床してからの1日をダイジェストでお送りしてくるから気を抜くな。休日なのだろう。朝どこかへ行き、誰かと会って、何かを買い、その足で向かったのが、あなたが知りたがっているお店である。まだ続きを読むかは、あなた次第だ。
・「小生さん」の特徴⑤:楽しそう
とはいえ、楽しそうにすることは悪いことではない。悲しそうな姿を見るよりはよっぽどいいだろう。そんな「小生さん」が投稿する写真には、定番の構図があるのだがお気付きだろうか? 何人かで乾杯している瞬間の、手とジョッキのみを撮影した写真だ。楽しそうで何よりだが、店に関する情報が皆無という点は誠に残念である。
・「小生さん」の特徴⑥:記憶がない
そうやって楽しく過ごしたからか、すっかり酔っぱらった「小生さん」は、入ったラーメン屋で何を食べたのかよく覚えていないことがある。しかし、そんな時でも『いやはや、何を頼んだのやら(笑)』と正直に書く「小生さん」はレビュアーの鏡だ。ブレまくった写真と、前の店の思い出話でフィニッシュ。本当にお疲れ様でした。
・参考になる口コミとは
個人的に食べログの口コミに求めるのは、味、値段、量、お店の雰囲気、混雑状況、料理や店内の写真などなど。現地に行かないとわからない具体的な情報だ。それらを淡々とまとめてある文章には好感が持てる。口コミはあくまでも口コミ。コラムである必要はないのだ。
「小生さん」は悪いことをしているわけではない。そこはハッキリさせておこう。ただ、食べログは出先でのお店選びに使う人も多いはずなので、要点をまとめた簡潔な文章の方が親切なような気がする。あなたはこんな「小生さん」、どう思うだろうか?
あひるねこ


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