突然だが、記者は魚が好きである。もちろん見るのも好きだが、なにより食べるのが好きだ。玄界灘がすぐそばの福岡県宗像市で育ったこともあって、昔は毎日のように魚を食べていた。ただ、ここ数年は海なし県の奈良に住んでいるため私の胃は魚不足だ。

「あぁ、美味しい海鮮モノが食べたい。できれば珍しいやつ」。そう思っていたところ、京都水族館で『オオサンショウウオの出汁茶漬け(税込500円)』が食べられるという情報を聞きつけた。魚類ではなく両生類だが、この際それは良しとしよう。どんな味がするか食べてみた結果、ヌメヌメした食感が忘れられない衝撃的な一品だった。

・正体はスグキの漬物と海苔のゼリー寄せ

メニューの名前だけ聞いたら驚く人もいるかもだが、オオサンショウウオの出汁茶漬けといっても、本物のオオサンショウウオを使用している訳ではない。これは京漬物のスグキと海苔をゼリーで固め、型を抜いたものなのだ。とはいえ、ゼリーのせいか、とてもヌメヌメしたビジュアルに仕上がっていて超リアル!

焼きおにぎりの上に清流の水草をイメージした京野菜の九条ネギと、このゼリーが乗っているという具合だ。周りにはオオサンショウウオの卵をイメージしたタピオカが敷き詰められているが、これまたリアル。思わず食べるのを躊躇(ちゅうちょ)してしまう見た目に仕上がっている。

・出汁をかけるとオオサンショウウオが泳いで見える

しかしながら、食べてみないことには始まらない。諦めたらそこで試合終了だ。勇気を出して、いざ実食! まずは上から出汁をかけると……まるでオオサンショウウオが泳いでいるように見えるじゃないか。また、かつおの香りがフワリとして良い感じ。タピオカがプカプカと浮いてくるのも面白い。

次に、申し訳ないような気もするがオオサンショウウオを削り、ご飯とタピオカと一緒に食べてみる。スグキとネギのシャキシャキ感、タピオカのモチモチ加減がベストマッチして美味しい!

これはアリだな……。普通に考えたらワサビが溶け込んだ出汁にご飯と漬物、さらには海苔って美味しくない訳がないもんな。ゼリーが程よく冷たいのも、これからの季節にぴったりだった。

・1日限定20食

少しタピオカの量が多いかなという気もしたが、全体的によくまとまっていて大満足。2017年4月22日より販売が開始したこちらの商品、いつまで販売されるか今のところは決まっていないそうだ。1日限定20食なので、気になっている人は勇気を出して食べてみてはいかがだろうか。

ちなみに京都水族館では、京都の川にすむオオサンショウウオのリアルな生態を見ることができる大型展示エリアを設けている。また、オオサンショウウオをはじめとするいきものたちにご飯を与える「スペシャル給餌体験ツアー」といった体験プログラムも行っているので、そちらも要チェックだ!

・今回ご紹介した水族館の詳細データ

館名 京都水族館
住所 京都府京都市下京区観喜寺町35−1
時間 10:00〜18:00
休館日 なし

Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.
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▼オオサンショウウオ出汁茶漬け、思ったより肉厚でした

▼タピオカがたくさん入っていた

▼グチャっと混ぜて食べると美味しい

▼京都水族館楽しいよ~

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