日本の首都・東京。生まれも育ちも大阪の私(中澤)が、東京に出てきて約10年になる。怖かった渋谷のスクランブル交差点や新宿歌舞伎町にも慣れ、すっかり人との繋がりも増えた。頼る人などいなかった上京当時を考えると、我ながら頑張った方だと思う。
距離にして500キロ以上離れているこの2つの都市。ここ10年は、言葉から常識から「文化の違い」を思い知らされることの連続だった。そんな様々な壁の1つが東西の「イケメン」と呼ばれる人種の違い。顔さえ良ければOKの東京に対して、大阪のイケメンは「○○」を併せ持っている必要があるのだ。
・東京のイケメン
まず、私の経験上、東京でイケメンと呼ばれる人たちには聞き上手が多い。こっちが会話を引っ張ってもサラッとした対応だが、何か話したくなる雰囲気を持ってるという感じ。会話において相手に嫌な感じを与えない人というのが重要視されているように思う。
顔が整っていることで、話さなくともある程度のキャラが確立されており、会話を引っ張る能力はあくまでその上に乗るエッセンス。幕ノ内弁当のご飯に乗ってるゴマのようなものだ。
・大阪のイケメン
それに対して、大阪は「笑い」が取れないなら話にならない。義務教育の6年間、常にクラスでは顔が整っていることよりも笑いに対して貪欲な人間に人気が集まる。
そのため、高校や大学で「イケメン」と呼ばれ人気があるような人は「笑い」に対しても果てしなく貪欲な人が多い。中にはあえて「汚れ」役を引き受け、ギャップで笑わせる猛者(もさ)までいる。顔が整ったイケメンが、キレて、スカして、汚れて、スベる……全ては笑いを取るために。
もちろんこれは、地域性の違いを感じるというだけで、必ずしも大阪のイケメンの方が優れているというつもりはない。東京タイプの方が好きという人もいるだろう。
ただ、大阪で人気者になれるイケメンは、顔が整ってなくても人気者になる人だと思う。天に二物を与えられたイケメン……このタイプは大阪にしかいない。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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