・【コラム】新幹線でヤクザに包囲された話 / そして聞かされた衝撃の内部事情(その2)

ヤクザであることをカミングアウトしたオッサン。だが、ここで逃げるのも黙るのも失礼な気がする。私は一瞬でそう考え、タイムラグなしに「あーなるほどね!」と返事をした。

と、その時!! オッサンの後ろにいた清原みたいな2m級の体格の坊主男が「ピクッ!」と反応した。こちらをガン見している清原。その目を見て私は悟った。「今動いたら殺(ヤ)られる」と。
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っていうか、この通路両サイドにある喫煙所を埋めてるの全員関係者か! 気づけば完全にヤクザに包囲されている。いや、飛び込んだのは自分だけど知らなかったしー!

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できるだけ早くこの場を失礼のないように去りたい……が、しかし、去るタイミングが見当たらない。

オッサンは2ショット写真を拒否った後、再び世間話に戻ってるし、私も2本目のタバコに火をつけた。適当に相槌を打って盛り上げていると、徐々に話は内部事情へと移っていく

オッサンはどうやら、某大手のちょっと偉い人っぽい。それだけでも衝撃なのだが、話す内容はさらに衝撃だった。オッサンの話をまとめると以下の通りである。
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・某大手の事情

1. 土建屋をやってるのはマジ
2. ヤクザ1本じゃ食ってけないから真面目に働いてる
3. マスコミはめちゃくちゃ盛ってる
4. 本当は報道されてる半分くらいの人数しかいない

──最初は、そんな話はどうでもいいから帰りたいと思いながらも、「マジっすか! そいつぁ大変だ!!」と相槌を打っていた私。たまに清原がピクッと反応することはあったが、これまた結構盛り上がった。

そして、話がちょうど切れたタイミングでタバコを消して「またねー!」という雰囲気で喫煙所を後にしたのである。そしてその後、大阪に着くまでタバコを吸うことはなかった。
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今振り返って思うのは、オッサンは本当に大変そうだったということ。マスコミに困ってたり、土建屋と2足の草鞋だったりヤクザも、普通の人と同じで厳しい世の中なんだなー。

イラスト・執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.