泣くようぐいす平安京──。かつての都である京都は、雅できらびやかなイメージだ。でも実は魑魅魍魎(ちみもうりょう)が夜な夜な跋扈(ばっこ)し、怨霊がうごめく都市でもあった……って知ってた? 現に百鬼夜行の通り道「一条通」に面する商店街では、そんな怪しい雰囲気がギュッと詰まったラーメンを食べることができる。
その名も『妖怪ラーメン』! 和洋中なんでもござれな「お食事何処いのうえ」渾身の一品だ。真っ黒スープに紫麺、真っ赤な粉が振りかけられた、おどろおどろしいビジュアルはどんな味がするのか。もはや想像すらできない。これは実際に食べてみるっきゃないでしょ!!
・妖怪もビックリな衝撃のビジュアル
一条通の百鬼夜行は、平安時代の説話集などにも登場するメジャー妖怪。この通りに面した大将軍商店街では、10年ほど前から “京都一条 妖怪ストリート” として妖怪をツールとした街興しが行われている。商店街の至る所に妖怪たちがいて、歩いているだけでも楽しいぞ。
そんな中、ひと際目立つ店構えの「お食事処いのうえ」。妖怪が入り口を固めていて、一瞬入るのを躊躇(ちゅうちょ)してしまう人もいるだろう。記者は平気だけどな。さっそく店内に入り、妖怪ラーメン(750円)を注文する。良い匂いとともに登場したラーメンは、何と言うかグロイ。スープが真っ黒ですやん!
・竹炭やパプリカを使用
冒頭に書いた通り、真っ黒スープに紫麺。真っ赤な粉がふんだんに振りかけられた一品は、どうしてこうなった感がハンパない。東京には真っ青スープのラーメンがあるようだが、黒スープのインパクトも相当なものだ。
恐る恐る口に運ぶと……「あれ、美味しい」。あまりに予想外の味で一瞬、思考が停止してしまうほどだ。正直、辛くてゴチャゴチャした味だと思っていたのだが、非常にサッパリとした味わいでいい感じ。ピータンとチャーシュー、ニラやしいたけもたっぷり乗っていて体にも良さそう!
話を聞いたところ、黒色は竹炭を使っているのだとか。真っ赤な粉は唐辛子と思いきやパプリカ。そして紫色の麺はクチナシ由来のものなんだって。何その優しさ! よくこれだけのモノを作ったなと驚かざるを得ない。
ビジュアルこそ衝撃だったが、味は確かな『妖怪ラーメン』。一度はグロウマな新感覚を味わってみてはいかがだろう。食事はもちろん、商店街を歩くだけでも楽しめるので、京都観光の際にはぜひ訪れてほしいスポットだ。
・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 お食事処 いのうえ
住所 京都府京都市上京区御前一条西入ル天神筋角
時間 11:00〜14:30 / 17:30〜21:00
定休日 火曜日
Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.
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▼これが妖怪ラーメンだ!
▼スープは真っ黒
▼麺は紫
▼ふんだんに振りかけられた真っ赤な粉はパプリカ
▼妖怪が四方を固める、お食事処いのうえ
▼商店街には至る所に手作り妖怪がいるぞ