子どもは宝だ、子どもは天使だ。そのことは間違いないと思う。ただ、親バカと言われる人たちは、可愛く感じる気持ちがあまりに強くて、ある種の魔法にかかっていると言っていいのかもしれない。
なぜなら、時間の流れは人が思う以上に残酷な側面を持ち、どれだけカワイイ子でもいずれ歳を重ね、大人になり、あの汚れなき姿は過去のモノになってしまうからだ。考えてもみてほしい、あなたも私(佐藤)も、カワイイ子どもだったはずじゃないか……。
・100人に1人、1000人に1人の可愛さ
最近郷里に帰った私は、実家にある幼き日の写真を持ち返った。そこには、死ぬほどカワイイ1才の時の私の姿があった。
自分で言うのもなんだが、こんなにカワイイ子はなかなかいない。あえて言えば、100人に1人。いや、1000人に1人レベルの愛らしさである。「キュート」という言葉がまさしくふさわしい存在だ。悪いが、あなたの子どもの頃より、100倍はカワイイに違いないだろう。
・いつからこうなった?
ところがである。気が付けば、『吐き気系オッサン』という大変不名誉な称号を与えられ、オッサンの慰めとして活躍する毎日。「まあ、佐藤記者よりマシか」と自分を励ますオッサンたちの希望になってしまっている。
どこで人生を間違ったんだ! 生まれた時のあの愛くるしさはどこに行ったんだよ! 俺の人生、イージーモードじゃなかったのか!! すっかり “ヨゴレ役” が板についてしまい、キュートさの欠片もなくなってしまった。
・オッサンの星であっても……
思い返すと、中学校くらいが分岐点だったように思う。サラサラヘアーだったのに天然パーマになり、可愛らしい丸顔は面長に。成長するにしたがって、愛らしさが失われていったのだ。やがて高校あたりで自分が「中の下」くらいの存在であることを感じ始めると、あらゆることにやる気をなくし、負け組ゾーンへとずるずると落ちて行った。
それが人生だ! それが現実だ!! 天使であった時間は生まれて4年くらいで終わってたんだよ! アンタんとこの子も、いずれ天使ではなくなるんだよ!!
だがな、これだけは言える。こんなオッサンの私でも両親は愛してくれてるんだよ。オッサンの星の私だが、親の子なんだよ。だから、アンタの子が天使でなくなっても、ずっとずっと愛して欲しい……。見てくれはオッサンになっても、ずっと子どもは天使なんだよ(涙)。
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
▼おまけクイズ:どっちが佐藤記者でしょうか?