【実話】変態仮面のコスプレで交番に行ったら、危うく逮捕されかけた話(最終ページ)
それは突然のことだった。警察官たちの無線が慌ただしく鳴り始めたかと思うと、応援に駆け付けていた8名が けたたましくパトカーのサイレンを響かせ、一瞬でいなくなってしまったのである。
何が起きたのかサッパリわからない2人の変態仮面。これまで机を挟んで、常に真正面にいた田中巡査も席を外している。そして戻って来たかと思うと、我々にこう質問を投げかけてきた。
田中巡査:「お前ら、新宿5丁目には行ってないよな?」
マジで意味がわからなかなったが、我々のテリトリーは新宿2丁目。事務所を出て交番にたどり着くまで、一歩たりとも新宿2丁目を出ていない。それを告げると「チッ」と軽く舌打ちをし、田中巡査はまた奥に引っ込んでしまった。
取り残された2人の変態仮面。しかし、お互いにお喋りするような雰囲気ではない。沈黙の中、ただただ耳を澄ませていると、奥の方から雑音に交じって、わずかながら無線が漏れ聞こえてきた。
「……○時○分頃、新宿5丁目○○前に……全裸の男性が出現したもよう。現在、男性の姿は確認できないが……近くに潜伏している恐れアリ。……至急現場に急行セヨ」
ざわ……ざわざわ……。
──まさか。そう、そのまさかである。2人の変態仮面が新宿2丁目の交番でたっぷり叱られているその時、なんと本物の変態がわずか数百メートル先の新宿5丁目に出現したのである! これを奇跡と言わずして何と言おう? まさに「真実は小説より奇なり」である……!!
結局、田中巡査とはその後ほとんど絡みは無く、対応してくれたのは年長者の高橋巡査である。警察から会社に電話が行き、服を持って迎えに来てくれたのは中澤星児と百村モモ。私が照れ隠しで「いやー、悪かったねぇ」なんて軽めノリで発言したら、中澤に「笑い事じゃないですよ」と、ここでもキレられてしまったことは記述しておこう。
なお、警察からの連絡を受けたのは百村だそう。電話を切り「Yoshioさんとサンジュンさんが捕まりました」と百村が発した瞬間、事務所にはこれまでにない重い空気が流れたらしい……。職場のみなさんにも本当に迷惑をおかけしました、ごめんなさい。
また、高橋巡査に今回の罪を尋ねたところ、隠れているところは隠れているため、やはり公然わいせつ罪にはギリギリで該当しないようだった。ただし「迷惑防止条例が適用される可能性がある」とのことだったから、変態仮面のコスプレにはくれぐれも注意しよう。
再三申し上げたが、この件については本当に反省している。罪にはならなかったものの、10人もの警察官の手を煩わせたことは紛れもない事実である。この場を借りて改めて謝罪したい、本当にすみませんでした。二度と屋外では変態仮面のコスプレはいたしません。
最後になるが、その後、勤務中の高橋巡査とはよく道端などで遭遇する。そのたびに挨拶すると「もう変態仮面はやってないか?」と返してもらえるからありがたい。激ギレしていた田中巡査とはなぜか遭遇しないが、いつかもう1度きちんと謝りたいと思っている。
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
イラスト:稲葉翔子
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]