2016年11月にYouTube上で公開された「優先席を譲る / 譲らない問題」が物議を醸している。動画では頑なに優先席を譲らない若者(撮影者)と、席を譲れと激昂する老人が収められているが、どちらの姿勢にも問題があるから、この際どちらが良い悪いの話は置いておこう。
基本的に私(P.K.サンジュン)は、優先席であろうと普通席であろうと、妊婦や老人がいたら100%の確率で席を譲る。自慢でも誇らしいことでもなく、ただそうなのだ。今回は「席を譲りたいけどなかなか譲れない」という人のために、100%席を譲る方法を伝授したい。
・100%の確率で席を譲るために
物心が付いたころから、私は両親から「子供は電車内で立つべき。半額なんだし、子供は疲れてもいいんだから」と教えられていた。足腰が立たない子供なら話は別だが、そう教えられて「座らせてくれない嫌な親」と両親を恨んだことは一度もない。自然に「そうだよな」と思えていた。
やがて成長するにつれ、自然と「お年寄りや妊婦さんには席を譲る」「困った人がいたら手助けをする」という習慣が身に付いていたし、今でも気付きさえすれば100%の確率で、それが実践できていると自負している。本当に特別なことではなく、それが自然なのだ。
それが良い悪いは別にして、中には「本当は譲りたいけど、どうやって譲ったらいいかわからない」「断られてイヤな思いをした」「迷っているうちにやり過ごしてしまう」という人も多いハズ。そんなときは、これを実践すればいい……名付けて「考えるな、譲れ作戦」だ。
・とにかく考えない
私はイチイチ「断られたらどうしよう」「逆に失礼かな?」「あと1駅で降りるしいいか」……などと一切考えない。視界に入った瞬間「よければどうぞ」と席を立つ。そう、考えるからダメなのだ。考えると最初の一歩を踏み出すのに時間がかかってしまう。
もちろん「結構です」と断られることもある。ただ、それがどうしたというのだろう? 「恥をかかされた」とは思わないし、「失礼なことを言ってしまった」とも感じない。ただ「そうですか」というだけである。
これは座席に限らず、重そうなバッグを持って階段を下りるご老人、階段前でまごまごしているベビーカーの女性など、全ての人に当てはまる。視界に入った瞬間 足を向け「お手伝いしましょうか?」と声をかければいいだけの話だ。
・やらない善より、やる偽善
中には「偽善っぽくて嫌だ」という人もいるだろう。実際にこれまで執筆した記事でそう言われてきた。ただそういう人には「自分が思ってるほど、誰もお前のこと見てねーよ」と言いたい。さらには「やらない善より、やる偽善」の方が、確実に人様の役に立っていると思うのだ。
また、こういう話をすると老人サイドから「最近の若い人は……」という話も耳にする。それは大間違いだ。そういう若者を作ってきたのは、まさしくあなたたちの世代の責任である。私の両親と違い電車内で真っ先に子供を座らせる親を見ると、そう思わざるを得ない。
話はそれてしまったが、100%席を譲るのは非常に簡単だ。何も考えずに100%譲ればいいだけの話である。考えれば考えるほど、自分への言い訳も考えるようになり、ハードルもどんどん上がっていく。いいか、極意はシンプルだ「考えるな、譲れ」である。
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.