オラついたヤンキーに絡まれた時、よく「スカしてんじゃねえ」と言われるが、「では……(ブッ)」と屁をこいてはいけない。もちろん「クソ野郎!」と追い打ちをかけられても、「では……(ニュッ)」と続けてはいけない。大変なことになる。
何が言いたいのかというと、長い人生、“音のある屁” をしてはいけない時や場所があるということだ。しかしながら生理現象、不本意ながら有音の屁が出てしまう時もある。そんな時は、以下に紹介するテクニックで上手にごまかしたほうが良いだろう。
その1:瞬時に何かをひきずって同じ音を出す
基本中の基本技。おそらく誰もが学生時代などに実践したことがあるはずだ。人間、音のある屁をこいてはならぬ時にこいてしまったその直後から、“ブーという音が鳴るモノを探す能力” が瞬時に150%ほどアップする。机や椅子、靴底などが良いだろう。
その2:屁に近い音の咳払いをする
まわりに「屁と同じ音が出るモノ」が無い場合は、自ら屁の音を作り出すしかない。基本は咳払い。だが、単なる咳払いではなく “いま出た屁に極限まで近い音がする咳” をするのが重要。「ピィ」という屁だったら「エヒン!」的な咳をすると良い。
その3:そっぽを向く
こちらも基本。自分が屁をこいたことを悟られるよりも先に、落ち着いてそっぽを向きつつ、「?」と不思議そうな顔をするだけでOK。同時に小声で「なんの音?」や「雷?」とつぶやいてもOKだ。まわりの人の意識を “外” に向ける作戦である。
その4:いぶかしげな表情で誰かを見つめる
これはかなりの外道技なので、できれば避けて欲しい禁じ手のひとつ。自らの肛門から出た音を、誰かしらの肛門から出たかのごとく “顔芸だけで発生源をワープさせる” という卑怯かつ好戦的な超高等テク。失敗したら即戦争、宣戦布告の大博打だ。
その5:あわててスマホを取り出す
イマ風のテクがこちら。屁の「ブー」をスマホのバイブ音「ブー」に見立て、あわててポッケから取り出すのである。そのまま「はい、もしもし? いま電車!」と小声で言えば、誰もが「ああ、電話がかかってきたのだな」と勘違いすることだろう。
その6:ビックリする
演技力が問われるテク。屁をこいた瞬間「ワーッ! ビックリしたぁ!!」と誰よりも先にオーバーアクションでビックリすることにより、周りの人の意識が「屁」から「ビックリ」にすり替わる。つまり、周りの人の「記憶」を瞬時に塗り替えるのだ。
その7:ボイパを始める
要練習だが、ほぼ100%ごまかせる。「ブー」と鳴った次の瞬間から「デュン、ブー、デュン♪」と、ボイパ(ボイスパーカッション)でリズムを刻むことにより、肛門から出た音も口から出た音だと誰もが思う。HIKAKIN(ヒカキン)なら余裕。
その8:脇を鳴らす
こちらも要練習だが、200%ごまかせる。「バフッ」と屁をこいてしまった直後、自らの脇(ワキ)をリズミカルに開閉しながら空気を出し入れし、「バフバフバフバフ♪」と音を鳴らすのだ。音も近いので、誰しもが「ああ、脇鳴らしか」と思うはず。
その9:マッスルミュージカル
周りの人々を感動に巻き込んでしまう超高等テク。「バンッ」と屁をこいた次の瞬間、腿(もも)のあたりを「パンパン♪」と叩いてリズムをとり、続いて胸あたりを「バンッ!」と叩いて、再びパンパン。「ヤー!」などの掛け声もOK。うまくいけば、「もしかしてマッスルミュージカルの人ですか?」とサインをねだられるはず。
──そのほか、屁の直後に「ハラへったー!」と言い “腹の音” に思わせるテクや、屁の音の高さにあわせて「ラー♪ ンー♪」とチューニングをするテクなども存在するが、初心者の人たちは「その1」からマスターすることをオススメしたい。健闘を祈る。