京都と大阪は隣同士であるにもかかわらず、その府民性(県民性)はかなり違う、とはよく言われる話である。例えば、京都人は上品で大阪人は下品だとか、京都人はプライドが高く大阪人はフランクだとか……。
実際のところどうなのだろうか。個人的な意見で恐縮なのだが、私(京都府出身)の体感としては、全ての京都人、大阪人が上のようなステレオタイプに当てはまるわけでは決してないけれども、大まかな平均値というか、府民性の違いはやはりあると思う。
そこで今回は、京都府出身である私の視点から、京都と大阪の府民性の違いについて説明したい。京都人と大阪人の心の内を丸裸にしたるぞ!
・ひとまとめに出来ない
——と言ったものの、私が直接知っている京都人、大阪人の数なんてたかが知れている。はっきり言って、めっちゃ少ない。その極めて少数のサンプルの中から、「京都の人はこういう性格」「大阪人はこうだ」といったことを断定的に語れるような資格など私にはない。あるワケがない。
そこで、私が直接体験したことのなかから、京都人と大阪人の違いがよく出ていると思われる例を1つ取り上げよう。それは私の知り合いの1人が、自分の意思に反して、コウンを漏らしてしまった事件である。
・語り口調が全く異なるコウンドロップ事件
場所等を書くと個人的に面倒になるので避けるが、間違いなく実際に起こった事件であり、その場には京都人も大阪人もいた。
そしてそれをどう語るかによって、京都人と大阪人の気質の違いが分かりやすく出ていたのだ。コウンしてしまったその人物を仮に田中君とした場合、京都人の語り口調はこんな感じである。
・京都スタイル
「なあ、自分知ってる? 田中君がやってもうたらしいで。何があったかはちょっと俺の口からは言われへんねんけど、田中君のズボンの菊門あたりから、菊の大輪みたいな模様が浮かび上がってきて、じんわりじんわり広がっていってん。
しかもズボンの裾からも “菊の花びら” がポツポツっと落ちてきて、気付いたら辺り一面、強烈な “菊の香り” や。田中君、菊人形になったんかと思たわ」
なんて優美な言い方だろうか。ウンコ、クサいなどとの言葉を使うことなく、“菊” “菊の香り” などでまとめてくるあたり、貴族文化が今も息づいていると言えるかもしれない。それに対して、大阪人は……
・大阪スタイル
「お前知ってるけ? 田中あいつ、ウンコ漏らしよってん。なんか様子おかしいなあと思ったら、いきなりブリブリブリーーーッや。トイレに行こうとはしてたけど、間に合わへん。全然間に合わへん。ズボン膝まで降ろすより、床にウンコ垂れる方がはるかに早かったし。
ほんでそのウンコがまた太っといねん。ちょっと前まで阪神におったブラゼルのバットくらいあったわ。ほんま、グリップエンドみたいな肛門しやがって」
・2つの違い
何ぶん数年前の話なので、筆者の記憶に若干のブレがあるかもしれないが、イメージとしては大体こんな感じだ。どうだろう。同じ内容の話なのに、京都人と大阪人の語り口調には、かなり大きな違いが出ていると感じないだろうか。
京都の方は、どれだけ下品な事件でも “はんなり” を貫き、大阪は大阪らしく豪快で直接的な話し方だと言えると思う。
・どっちが好み?
コウンを漏らしてしまった当の本人である田中君にとって、京都風と大阪風のどちらの味付けがよりマシだったのかはちょっと分からないが、人によって「京都の持って回ったような言い方はイヤ」「ズバッと言う大阪スタイルは勘弁して欲しい」などと好みが分かれそうである。
とにもかくにも、関西でコウンを漏らしてしまい、京都人と大阪人のどちらかに相談しなくてはいけない状況にでもなったら、上の違いを参考にしてみてくれ!
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.