衝撃的なニュースが飛び込んできた。『大阪王将』のCMのクレームが『餃子の王将』に寄せられ、その結果、『餃子の王将』サイドが「全くの無関係」と文書を発表したのである。

繰り返し使われる「無関係」という文字にも衝撃を受けるが、大阪や京都出身の方はこう思ったかもしれない。「間違える人、おるんや」と。大阪出身の私もそう思った。だって違うやん? 間違える理由あらへんやん??

・大阪人が区別できる理由

府内には『餃子の王将』も『大阪王将』もあるのに、なぜほとんどの大阪人が混同しないのか。結論から言うと『餃子の王将』のことを日頃から「京都王将」と呼び、意識するしないにかかわらず明確に「大阪王将」と区別しているからだ! 

「京都王将」の呼び名の由来は『餃子の王将』を運営する王将フードサービスの本社が京都にあり、レジェンドたる1号店が四条大宮にあるからだと思うが、私が幼児だった30年前くらいから周囲もみなそう呼んでいた。

「餃子のタダ券もろたー」
「それ京都王将のやろ? こっちの(大阪)王将では使えへんよ」

みたいな会話が日常。常に区別しなければならない環境に置かれていた人も多いだろう。

・戦争も知ってる

そして「京都王将」と「大阪王将」の “のれん分け戦争” も経験。たしか20~30年前くらいは店構えも激似だったと記憶しているが、気がついたら大阪王将が赤とか黒基調の居酒屋風味になっていたのは衝撃的だった。

いまはすっかり見た目も異なるが、この戦争の記憶は、戦争を知らない世代にも知識として受け継がれている。こういう他県の人にドヤれる知識メッチャ好きやもん!

・どっちが好きか、常に問われる環境

大阪には、昔から両社の “王将” が存在し、王将の歩みと共に生活してきた人が多いのだろう、自然と区別する習慣があるのではないか。ちなみに京都の人は、京都の人で「京都王将」の誇りにかけて区別している気がする。京都の人の前で間違えたらホンマ怒られそうやわ。こわー。

そんな歴史と経緯を知っているだけに、今回の文書で強調されまくっている「無関係」という言葉に少し寂しさを感じたのは私だけだろうか。別会社なのは事実なので、決して間違った表現ではない。よっぽどクレームに困っていたんだろうなぁ……。

余談だが、大阪人と王将の話になると「京都王将と大阪王将、どっちが好き?」とか「どっちの王将行くー?」という話に必ずなる。私は、餃子なら京都王将。でも天津飯なら大阪王将の方が圧倒的に好みやなぁ。

参考リンク:餃子の王将『大阪王将「羽根つき餃子」CМについて』(PDF)
執筆:沢井メグ

▼あと違いを言えば、こういう流行に前のめりなメニューも「大阪王将」って感じ。「京都王将」はこういうことせーへんってイメージやなぁ