地震や大雪などの災害時。仕方がないこととはいえ、普段活用している交通網が乱れることは利用者にとって大きな痛手となる。台風や大雪が予想されていたとしても、「どうしても出かけなくてはいけない状況」がやって来るのが人生だ。
できれば家の中で大人しくしているのがベターだが、万が一出先で「電車が止まった!」「どこもかしこも動いてない!!」という状況になったらぜひ思い出してほしい……。都心で一番災害に強い電車は断トツで『東京メトロ銀座線』であると。
・日本最古の地下鉄
1927年、日本初の地下鉄として営業を開始した東京メトロ銀座線。当時は浅草-上野間のみの運行であったが、現在では浅草-渋谷間の全19駅をつなぐ路線となっている。では何故、日本で最も古い地下鉄が災害に強いのか? 理由は大きく2つある。
・災害に強い理由1:「ほぼ地上に出ない」
例えば、大雪ならスリップや凍結、台風なら強風と、地下と地上では災害の影響を受ける頻度が全く違う。つまり地下鉄の方が被害を受けにくいのだが、地下鉄路線の中にはたびたび地上を走るものも多い。
その点、銀座線は路線内であれば “表参道-渋谷間” のわずかな距離しか地上を走らないためダメージを受けにくいのだ。
・災害に強い理由2:「どの路線も乗り入れていない」
2つ目の理由、これこそが『銀座線最強説』の所以なのだが、都心を走る路線としては珍しく、銀座線はどの路線も乗り入れていない。例えば「日比谷線」ならば東武線、「千代田線」ならJR常磐線や小田急線と、ほとんどの東京メトロはどこかしらの路線と直通運転でつながっているが、銀座線にはそれがない。
これは災害時には大きなメリットで、銀座線は他路線の影響を極めて受けにくいといえる。仮に東急東横線内で何かしらのトラブルがあった場合、乗り入れしている日比谷線も影響を受けてしまうのが普通だが、銀座線にはそれがない。「自分(銀座線)が大丈夫なら走り出すタフなヤツ」、それが銀座線なのだ。
・東日本大震災の際もいち早く普及
筆者が『銀座線最強説』に気付いたのは、2011年に起きた東日本大震災の際。全路線が一時的にストップし、帰宅難民が続出したことは記憶に新しいが、その日のうちにいち早く動き出したのが銀座線であった。理由はまさに上述した2つにあるといえるだろう。
冒頭で述べたように、万が一出先で「電車が止まった!」「どこもかしこも動いてない!!」という状況になった場合でも、銀座線ならば何とかなるかもしれない。そこから先に向かいたい場合は……自分の足と相談しよう。