2015年3月頃にネット上で注目を集めたバイクがある。その車両「zecOO(ゼクウ)」は、デザイナー根津孝太氏とオートスタッフ末広が手を組み、ほぼハンドメイドで製造販売を行っているモデルである。その見た目が大友克洋氏の漫画『アキラ』に登場するバイクに似ていることから、アキラバイクを彷彿させると話題になった。
そのzecOOが、東京モーターショー2015にも登場した。実物を見るとやっぱりカッコイイ!! しかもシートメーカーの「TSテック」と手を組み、車体に新しい仕掛けが施されているようだ。その仕掛けとは?
・自動運転車両
今回のモーターショーの大きな特徴のひとつに、「自動運転車両」がある。来るべき未来、自動運転車両が一般的になることを見越して、各社がさまざまなコンセプト車両を発表しているのだ。
もしも車が運転をしてくれるとしたら、ドライブはどういったものになるのだろうか? およそ想像もつかないことだが、いずれ本当にそんな未来が来るかもしれない。
・感情を理解するシート
TSテック社は、自動運転車が実際に登場したことを見据え、車内空間をより快適にしてくれるシートを提案している。「『感情を理解する』シート」をブースで参考出展しているのだ。これは運転者の脳波を読み取ってシートの色を変化させたり、同乗者とより会話しやすいシートアレンジに変化したりするというものだ。
運転の心配がなくなれば、車内環境が果たす役割は今までとはまったく違うものになるだろう。当然シートの役割もまた変わってくる。より快適な座り心地と居心地の良さが求められることになるのではないだろうか。
・zecOOのために開発されたシート
そんな一歩先を行く同社と、zecOOを生み出した根津孝太氏「znug design」が手を組み、今までにないバイクシートを開発した。バイクが急加速すると、自然と体がのけぞってしまう。そこでそののけぞりを軽減するために、シート後部が自動でせり上がる工夫が施されているのだ。
一見地味な機能だが、zecOOにこそマッチする、独特なシートではないだろうか。それにしても、カッコイイバイクだ。いつか何もない真っすぐな道をひたすらに走ってみたい。そのためにはまず免許を取らないと……。
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24.
▼これが電気バイク「zecOO」
▼TSテックと共同開発したシートは、加速時に身体がのけぞらないように……
▼シート後部がせり上がるようになっている
▼おまけ。2012年に開催された大友克洋展に展示されていたアキラバイクの映像