鳥取県の平井伸治知事が「スタバ(スターバックスコーヒー)はないけど砂場はある」と言ったのは、すでに過去の話。今の鳥取県にはスタバも砂場もある状態だ。
この時、砂場と呼ばれた鳥取砂丘の砂を最大限有効活用している施設をご存じだろうか? その施設とは「砂の美術館」である。世界でも最高レベルの砂像を展示するこの美術館を、私(佐藤)は初めて訪ねたのだが、巨大な砂像の造形に衝撃を受け、感動した! こんな立派な施設を作れるのなら、スタバいらないじゃないかッ!
・第1期から見たかった!
この施設は砂像を作るのに最高に適した場所にある。鳥取砂丘のすぐそばだ。材料に困ることはおそらくないだろう。2006年の開館以来、毎年世界トップクラスの砂像彫刻家を招き、テーマに沿った砂像を展示している。
ちなみに第1期展示(2006年11月18日~2007年1月3日)の「イタリア・ルネサンス編」は、レオナルド・ダ・ヴィンチの『受胎告知』やミケランジェロの『ピエタ』などをモチーフに砂像を作り上げたそうだ。それを見てみたかった!
・雪像に負けてない
私が訪ねたのは、第8期展示「砂で世界旅行・ドイツ編」である。グリム兄弟の像や、グリム作品から『ヘンゼルとグレーテル』、『ハーメルンの笛吹き』など文学作品のほか、ルターの宗教改革、ベルリンの壁建設・崩壊などの史実を砂像で表現している。巨大にして繊細な砂像は、圧巻の一言に尽きる。雪まつりの雪像に負けずとも劣らない、迫力に驚かされるばかりだ。
・まるで巨大なジオラマ
なかでも印象に残ったのが、ノイシュバンシュタイン城やジグマリンゲン城など、城を再現した作品である。緻密に彫られた像の姿は、時折それが砂であることを忘れさせる。城壁の再現作品は特にリアリティが高く、中世を舞台にしたアニメや漫画作品のフィギュアを置いたら、さぞいい画が撮れるだろうなあと思ってしまった。コスプレ撮影なんかやっても最高かもしれない。
・鳥取砂まつりをやればいい!
私は正直、砂の力を侮っていた。これほどまでに美しい作品を作り上げることができるとは。札幌雪まつりの雪像に負けない魅力を備えた砂像の数々。そのうち「鳥取砂まつり」でも開いて、全国にその魅力を発信したら良いのではないだろうか。
・施設の情報
施設名 鳥取砂丘 砂の美術館
住所 鳥取県鳥取市福部町湯山2083-17
営業時間 9:00~20:00(最終入館19:00)
展示テーマ 第8期「砂で世界旅行・ドイツ編」 〜中世の面影とおとぎの国を訪ねて〜
会期 2015年4月18日(土)~2016年1月3日
定休日 会期中は無休
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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▼砂の美術館の巨大な砂像。実物の迫力に相当ビビった!
▼奥の壁一面、城をモチーフにした作品の迫力がハンパない!