IMG_2395

暑くなると食べたくなる食べ物、それが私(筆者)の場合は森永乳業のカップかき氷『コーヒーフロート』である。1個100円。スーパーなどでは、「●個で●●●円!」と激安セット販売されることもあるので、チャンスとあらば3〜4個は即ゲットだ。

いつごろから売られているのかは不明だが、35歳の私でさえ、そうとう昔の幼少期から食べている記憶がある。そして、幼き頃から食べるたびに「こんなにウマくて楽しいかき氷アイスがあっていいものか!」と感動し続けている次第である。

・そこはかとない大人っぽさ

まず、いかにも「コーヒー」な色の容器が素晴らしい。「コーヒーフロート」のフォントもまた、古き良き喫茶店を連想させる。幼き頃は、このパッケージを見て「大人っぽい」と感じたものだ。

そして、シースルーのフタ中央にジリジリと輝く “白い太陽” が……。見れば見るほど美しく、完成され尽くしたパッケージであると私は思っている。また、この商品を存分に堪能するには、タダでもらえる「木のヘラ」が必須であるとも私は思う。coffeefloat1

そんなことを考えつつ、ペロリとフタをめくってみると……これまた美しい “満月” が輝いている。フタについた “アイスの跡” は、水面に映る満月といっても過言ではない。しばし、本体とフタを眺め、一句読みながら荒ぶる心を落ち着かせよう。coffeefloat2

一体なぜ、心が荒ぶるのかというと、「第1手をどちらに打つのか」で悩みが生じるからだ。宇宙を連想させる “褐色のかき氷部分” か、それとも夜空に輝く白い満月こと “バニラアイス部分” なのか……。この二択は、ある意味究極。だが私の答えは──coffeefloat3

白。まず、この “白” 、つまり「コーヒーフロートの真ん中のアイス」で戦い開始(ゴング)と約30年前から決めているのだ。この白部分は、単なるバニラアイスではない。絶妙な粘度と、粉雪のようなきめ細やかさ、そして “甘すぎない練乳みたいなミルク味” が三位一体となり、謎の美味しさを誇っている。だが、主役ではない。

・陰と陽

白が終わったら、次は当然 “黒” である。褐色のかき氷をピンポイントで攻めておきたい。フタを開けた直後は、まるで “雪が降った翌日に積もっている雪” のように固いので、気合いを入れて慎重にスプーンを入れる必要がある。そしてパクリと──IMG_2381_500px

ああ、うまい! 甘いんだけど、ブラックだ。ここで “大人の味” を感じつつ、いよいよ3手目で陰と陽が交わる「コーヒーフロート太極図」を木ベラの上で再現だ。まずはハーフ・アンド・ハーフぐらいの比率が良いだろう。そして口に入れると……IMG_2383_500px

おいC〜! 何度食べても、やっぱりウマい。まろやかなアイス部分と、ガリガリしたかき氷部分が見事に融合して……ビッグバン(宇宙大爆発)! ここからは、もう宇宙の終焉に向けてスパートをかけていく。ウカウカしてると溶けるからだ。

・雪解け 〜宇宙の終焉〜

「白7の黒3」や「白2の黒8」など味に変化をつけつつ、丁寧に掘り進んでいくと……“森永の半月” や “森永の三日月” という美しい現象を見ることができる。それと同時に、その月欠けは……おまちかねの「雪解け」が始まることを意味している。IMG_2390_500px

森永コーヒーフロートにおける雪解けとは、読んで字の如し、そのまんま「アイス部分とかき氷部分が溶けていく」状態を指す。普通のアイスならば敬遠される状態かもしれない。だが、森永コーヒーフロートに限っては……逆。むしろ “ごほうび” だ。

溶けたらミックス&ミックス。みぞれ状態になったコーヒーかき氷の中に、半液状化した白アイスが “マーブル的” に交じるのだ。運が良ければ、「地層」という現象や、「ジュピター(木星)」といった芸術的現象を木ベラの上で観察することも可。jupita

なお、こんな事を考えながらiPhone6で写真を撮りつつ、朝っぱらからコーヒーフロートを食している自分自身の表情がふと気になったので、パッとインカメラに切り替えたところ、これ以上ない真剣な顔で木ベラをくわえる私の顔面が写っていた。IMG_2408_500px

それはさておき、最後の最後はドリンクだ。完全に液状化した森永コーヒーフロートは、そのまんま「コーヒーフロート」として最後の一滴まで堪能できる。考えれば考えるほど、1ミリの隙もないパーフェクトな商品だ。ロングセラーも納得である。

参考リンク:森永乳業「コーヒーフロート」
執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

▼最後は飲む!
IMG_2424_580px
▼個人的には、このあたりの “祭り状態” が最も楽しい
IMG_2409_580px