lawnlift

芝生が青いと、見ていて清々しい気分になる。逆に茶色に色あせていると、わびしさを感じるのは気のせいではないはずだ。「隣の芝生は青い」ということわざが示す通り、芝生は人が羨む対象にさえなるといえるだろう。

実はある国で、水道代を節約する知恵として、芝生を青々とした状態に保つための驚くべきサービスが登場。これがヒットしているというのだ。その方法とは、芝生を緑に塗装するというのである。ナンという横着な方法だ! しかしそうせざるを得ない問題があった。それは干ばつによる節水である。一体どこの国?

・厳しい節水事情

この驚きのサービスが登場したのは、米カリフォルニア州である。同州ではここ数年厳しい干ばつの影響を受けている。特にこの4年の間、その影響は深刻で、プールのある家庭ではプールを満水にすることが禁じられており、リサイクルした水を使っていない噴水は止められている。

それだけではなく、レストランでは客が求めない限り、水を提供しないことになっているそうだ。とにかく徹底した節水対策が講じられている。また専門家は、同州の貯水池には1年分の水も残されていないと指摘している。

・干ばつの影響を考慮していなかった

まさしく枯渇問題。芝生に水をやっている場合ではない。そこで登場したのが、芝生塗装業である。カリフォルニアの企業「LawnLift」の創業者は、2007年に芝生塗装を行っている男性をテレビで目にし、カリフォルニアでの事業展開を開始したという。その当時、創業者は干ばつの影響が深刻化することを想定していなかったそうだ。

・人や動物に無害

気になるのは使用している塗料である。塗料は人や動物に無害で、もし雨で塗料が流れたとしても影響はないとしている。ちなみにこの塗料は耐水性で3カ月間緑色を保つそうだ。

・やはり芝生は青くないと……

住宅所有者やホテル経営者、ウェディングプランナーから需要があるそうだ。たしかにホテルや結婚式場の芝生が茶色になっていたら、印象は芳しくないかもしれない。青々とした芝生が売り上げにもたらす影響は大きいのではないだろうか。それにしても、塗装してまで芝生を守らないといけないとは……。芝生塗装を利用していない施設管理者は、文字通り隣の芝生が青く見えるのかもしれない。

参照元:ODDITYCENTRALLA Times(英語)、YouTube
執筆:佐藤英典