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「お客様の声」は、企業にとって貴重な情報である。会社側にとっては、時として耳の痛い意見もあるだろうが、どれだけ真摯にその意見と向き合えるかが、会社の将来を決定すると言っても過言ではない。そのため、多くの企業が顧客の声に耳を傾け、サービス改善のために日夜たゆまぬ努力を重ねている。

そんな中、ある企業が「お客様の声」に関連した心温まる試みを行っているのでご紹介したい。その試みとは……企業のFacebook に書き込まれた問い合わせコメントの中から、従業員が気に入ったものを読み上げるというもの。おまけにその様子を撮影し、YouTubeで動画を公開している。

・バナナケースに問い合わせ殺到

その企業は、共同購入型クーポンサイトで有名な「グルーポン」。グルーポンでは、先日自社のFacebookに商品であるバナナケースの写真を投稿したところ、問い合わせが殺到。詳細は過去の記事を参考にして欲しいが、「電池付きですか?」「潤滑油は使われていますか?」など、多数のコメントが書き込まれる事態になったのだ。

ちなみに、2015年4月22日現在、問題の投稿の「いいね!」の数は、2万以上で、コメントは1万8000件、シェアは4万5000件を突破している。

・グルーポンが新たな対応

そして、その膨大な問い合わせに対して、グルーポン側が一つ一つ丁寧に回答。素晴らしい対応を見せたのは以前の記事の通りだが、その後また動きがあったぞ。

先述の通り、書き込まれたコメントの中から、従業員がお気に入りのものを選び、読み上げるという試みを行ったのである。実際に選ばれたコメントは以下の通り。

・グルーポンのスタッフが選ぶお気に入りコメント

「これは人事部の承認済みですか? バナナケースを職場に持って行っても問題ないのでしょうか?」

「全てのバナナが同じ形状ではありません。もっと曲がっているものもあれば、真っ直ぐなものもあります。だからといって、フィットさせるために自分のバナナを半分に切ったら、別の問題が起こりそうですね。何かいい案はありませんか?」

「ケースに入るサイズは? 夫には特大サイズが必要なんです」

「バナナとは関係のない使用方法を予見してしまいます」

「バナナのためにケースに溝がついているのですか?」

「電池はどこに入れるんですか?」

「バナナがバナナケースの中に4時間以上入れっぱなしだった場合、誰か連絡すべき人はいますか?」

「ウチの子がランチバッグからこのバナナケースを取り出したとき、先生がどんな顔をするのか思い浮かぶわ」

「黒い方は発光しますか? ほら、暗い場所でそれを使うときのために」

「バナナが反対方向に曲がっていたらどうするのですか?」

「バナナケースを手に持って、バナナを口に近づけるべきですか? それとも口をバナナにですかね? それから視線を合わせているべきですか?」

……なんという こだわりだろうか。コメントの1つ1つから、カスタマーのバナナケースに対する情熱が伝わってくる。そしてそれに対して、お気に入りの投稿を読み上げるという形で答える従業員の方の熱意もまた、カスタマーに負けないものがある。

・表情に注目

何より、彼らの真剣な表情を見て欲しい。その顔つきからは、「お客様のことが心配だ」「お客様は弊社で扱っている商品をお気に召していただけるのだろうか」という気持ちが、ありありと見えるではないか……! なんたる心尽くし! なんたる誠意! これを神対応と呼ばずに何と呼ぶ!!

なお、私(筆者)は、なぜ従業員の方がそのコメントを気に入ったのか? そもそも書き込まれたコメントの意図は何なのか? については、動画を何度見ても全く分からなかったのだが、グルーポンのスタッフが素晴らしい方だということだけは十分に理解できた。

このような対応をするスタッフの方が今後も活躍されることを願ってやまない。

参照元:YouTubeFacebook(英語)
執筆:和才雄一郎

▼こちらがその動画。真剣な表情に注目して欲しい

▼問い合わせが殺到することになったバナナケースの写真